台風に豪雨、地震が地域経済に影響!「日銀さくらリポート」米中貿易摩擦がより懸念
中国地方は台風・豪雨、北海道は大地震で経済に影響
日銀は10月18日、全国の日銀支店長会議で集約された情報をまとめた「さくらリポート(地域経済報告)」を発表。
各地域の景気状況を見ると、北海道では大地震、中国地方では台風や豪雨など自然災害の影響により判断を引き下げ、他地域、東北、北陸、関東甲信越、東海、四国、九州・沖縄は「拡大」、「回復」と7月調査同様の判断としました。
「拡大」、「回復」の要因としては、海外経済の成長に伴う輸出が増加基調にあり、個人消費も緩やかながらに増加していることが挙げられています。
北海道、震度7の大地震に余震、大規模停電、一番影響受けたのは「観光」
9月6日には、震度7という北海道胆振東部地震が起き、700人を超える死傷者が発生し、住宅の全壊・半壊も1,000棟を超えました。
この大地震により、苫東厚真火力発電所のボイラー管が破損し停止し、連鎖して他発電所も停止したため、道内全域で約295万戸が停電しました。
日銀札幌支店長は、最も影響を受けたのは「観光」と指摘し、余震も続く中、宿泊施設や交通でもキャンセルが相次いでいるといいます。
復興に向け公共投資も本格化していますが、建設業界の人手不足が影響し、予定通りに進まないことが懸念されます。
西日本代豪雨に大型台風の影響、「生産は戻りつつある」
四国は台風による豪雨の影響で製造業は減産を余儀なくされ、輸出は一時、下振れしましたが生産の回復に伴い広島のマツダや自動車部品製造業など、豪雨前の水準に戻りつつあります。
関西国際空港では、滑走路1本が高潮とともに水没し、物流機能の復旧は遅れるものの、中部空港など代替え輸送を進めているため、増産計画の見直しは避けられる状況です。
豪雨災害後には、交通インフラなども止まり、部品の流通や、従業員の出勤にも影響が出ており一部製造業では減産に踏み切る企業もありました。
大阪、想定上回る早さで回復
西日本豪雨や大型台風など岡山や広島など消費者心理の悪化から不要不急の消費を避ける傾向が見られましたが、8月以降は影響が和らぎ始めています。
関西国際空港の一時閉鎖で、大阪でも一時的に来客数は減少したものの、国際線復旧後は想定を上回る早さで回復しているとしています。
ただ、製造業にとっては米中貿易大戦争の影響を懸念する声が多く、中国から米国へ輸出される先端部品や半導体製造機などは日本製がほとんどです。
サプライチェーンは、他国に渡り複雑化する中、米中貿易交渉が自然災害より大きく影響する可能性もないわけではありません。
●関連記事:「米中貿易戦争、さらに過激に!日本経済への影響は?」[2018.7.18配信]
[2018.11.6]
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