住宅ローン貸出額は減少、住宅着工戸数は増加!?日銀、予言通り金利上昇
住宅ローン、銀行・信金・フラット35の貸出額が減少
住宅金融支援機構は10月2日、今年4月〜6月期の業態別の「住宅ローン新規貸出額及び貸出残高の推移」を発表。
この期間、金融機関などの住宅ローンの新規貸出額は4兆7,644億円と、前年同期から4.2%減少しました。
新規貸出額の内訳をみると、国内の銀行が5,441億円と同3.6%減、信用金庫が3,711億円の同12.7%減、住宅金融支援機構の「フラット35」も5,411億円で同13.6%減と大きく減少しました。
一方、最も増加率が大きかった金融機関は、住宅専門会社などで556億円と同23.3%増加、労働金庫も4,589億円と同11.8増加しました
住宅着工戸数、8.5%増加、消費税増税前のニーズ?
国土交通省によると、今年4月〜6月期の住宅着工戸数は年率換算すると96万8,000戸と前年同期から8.5%増加しています。
今後の先行きについても、2019年10月の消費税の引き上げで駆け込みニーズの顕在化が予測でき、増加は維持される可能性が高いと考えられます。
これは過去、平成9年4月の消費税の引き上げ3%から5%、平成26年の5%から8%時前の2四半期前に住宅ローンの貸出が増加したことでで裏付けられます。
来年10月の消費税増税で来春より販売が上昇することが予測されます。
消費税増税で「ローン減税」、「すまい給付金」を拡充
消費税の引き上げに伴い来春頃からの駆け込みニーズと、引き上げ後の反動が予測されますが、安倍政権は駆け込みによる経済への影響を考え住宅「ローン減税」と「すまい給付金」を導入します。
「住宅ローン減税」は拡充が検討されており、「すまい給付金」は、世帯収入額によって最大30万円を50万円に拡充される予定で、駆け込みニーズと反動減の規模をある程度、一定分抑制する効果が期待されています。
ただ、住宅含め、様々な製品やサービスに施策拡充によって、一定の駆け込みニーズと反動減が生じることは避けられません。
日銀、長期金利を上昇
住宅ローンも消費税増税に伴い、駆け込みニーズで増加が予測されますが、日銀の金融政策決定会合ではゼロ金利ベースは維持しつつも変動幅を初めて打ち出しました。
この決定が行われた今年7月31日の長期金利は0.05%でしたが、10月に入り米国の長期金利が景況感指数や雇用情勢が堅調で急上昇し、それに合わせるよう日本の長期金利も0.155%まで上昇しました。
この状況下、メガバンクは5ケ月ぶりに住宅金利ローンを引き上げ、住宅金融支援機構が供給する「フラット35」も2ケ月連続で上昇しました。
住宅の購入は、耐久消費財や運輸、小売業にとっても経済全体への効果は計りしきれないもので、今後の住宅ローン金利の動向が注目されます。
●関連記事:「超低金利長期化で住宅ローン56%が「変動型」選択!支払い増のリスク、リスケの活用も」[2018.7.11配信]
[2018.10.12]
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