これまでにない小売業の銀行事業参入!ローソン銀行誕生で、地域活性化も
セブン、イオン銀行に次ぐ小売業の銀行事業参入
金融庁は今年8月10日、コンビニエンスストアのローソンが申請していた銀行業の免許を交付し、9月5日にはローソンが10月15日より銀行サービスを開始すると発表しました。
小売業の銀行事業参入はセブン銀行やイオン銀行など既に展開しており、ローソンの銀行事業参入で大競合が始まろうとしています。
これまでローソンは、地銀などと提携しATM(Automated Teller Machine:現金自動預け払い機)を運営してきましたが、手数料は幾つものの銀行が出資していたため独占できませんでした。
そこでローソンは、銀行免許を取得し、金融ビジネスを強化し、収益を上げることを目指しました。
ローソン銀行、三菱UFJの金融事業、物流ノウハウ取り入れ差別化
消費者にとってはコンビニエンスストアでも銀行のATMでもどこでも現金の引き出しや預け入れが可能で利便性がよくなりますが、ローソンが三菱商事の子会社となっていることで、商社の物流や三菱UFJフィナンシャル・グループの金融技術を活用し、他にはないコンビニエンスストアの運営が進められると考えられます。
経済産業省の商業統計ではコンビニエンスストアは飲食料品小売業に定義され、商品を仕入れ、販売することで収益を得る基本的なビジネスモデルです。
ローソンでは、このビジネスモデルに三菱商事の金融事業の要素を取り込み、セブンイレブンにはない新たな取り組みを取り入れ、消費者満足を高め、収益向上を目指します。
ローソン、医薬品販売やモバイル決済も展開
ローソンの店舗によっては医薬品を取扱う店舗もあり、営業時間の半分以上を医薬品販売の登録販売者を常駐させる必要がありますが、ローソンでは、すでに登録販売者を確保しつつ、医薬品販売を取扱う店舗を増やし、ライバル店との差別化を図ります。
これは、消費者にとっても、ローソンで医薬品が買えるのであれば利便性もよく、足を運ぶ機会も増える可能性も大きくあります。
また、ローソンは平成29年1月にライバル店に先駆け、中国のIT(Information Technology:情報技術)企業、アリババのモバイル決済システム「アリベイ」を導入しました。
中国からの訪日客が急増する中、中国本土では主流となっている決済方法、スマートフォンでの決済をローソンでも可能にし中国訪日客の利便性を図りました。
フィンテック技術の活用も期待
ローソン銀行の設立によって三菱UFJ銀行の「MUFGコイン」の開発など、FinTech(フィンテック:Finance「金融」とTechnology「技術」を合わせた造語)技術の活用も期待され、他の小売業銀行やネット銀行はないサービスも提供されると予測できます。
特に地方の過疎地などでは、ローソンがあれば飲食料品販売の他に、医薬品の販売や介護相談などの機能を備えたヘルスケアローソンの店舗も展開。
さらに、インターネット通販の荷物の受け取りや配送、銀行機能が加われば、その地域に住む住民にとって満足度は大きく高まり、地域活性化にも期待がかかります。
●関連記事:「コンビニ破綻、過去最多!地域の競合店にネット通販との競争激化」[2018.4.9配信]
[2018.9.21]
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