住宅ローン「フラット35」「リ・バース60」申込み急増!金利上昇、老後生活資金の懸念?
住宅ローン「信金」は急減、「フラット35」は急増
住宅金融支援機構は8月28日、「業態別の住宅ローン新規貸出額及び貸出残高の推移」を発表。今年第1四半期(1月〜3月)の主な金融機関の住宅ローンの新規貸出額は5兆8,864億円と、前年同期比から9.2%減少しました。
貸出元の内訳をみると、信用金庫が同16.4%減、住宅金融支援機構「フラット35(買取型)」が同16.0%減と大幅に落ち込んだ一方、住宅金融専門会社などが同33.3%増と牽引する形となりました。
ただ、「フラット35(保証型)」に関しては平成28年度から増加傾向にあり、今年第2四半期(4月〜6月)の実績では1,484戸と前年年同期比162.4%と大幅に成長しています。
「フラット35」2年度連続、申込み件数ゼロも
「フラット35」には「買取型」と「保証型」の2種あり、一般的には民間の金融機関が証券化を行うことで「買取型」より低利で全期間固定金利の「保証型」が選択されます。
この「保証型」は平成18年度から取扱いが始まったものの、平成20年のリーマン・ショックで金融市場が混乱し低迷し1件も申請のない年度もありました。
「保証型」は、民間の金融機関が融資率や返済負担率、団体信用生命保険などを独自に設定できるため、金融機関同士の競合も激しく住宅ローン利用者にとっては比較検討できるなどメリットがあります。
住宅ローン、いよいよ金利上昇?
日銀の異次元金融緩和により、住宅ローンは超低金利が維持されていますが、7月31日の金融政策決定会合で長期金利の変動幅は概ねプラスマイナス0.1%から上下その2倍に変動しうることを念頭に置いていると発言。
欧米では、景気回復基調で金融緩和が縮小傾向にある中、日銀も0.2%まで金利上昇がありうるということで、現実8月2日には一時0.145%と平成29年2月以来の高水準に上昇しました。
住宅金融支援機構の「民間住宅ローン利用者の実態調査」では、平成29年度下半期(平成29年10月〜30年3月)は「変動型」が56.5%と3期連続増加していますが、金利上昇の懸念に全期間固定金利の「フラット35(保証型)」が増加してきたのかと考えられます。
返済は利息のみ「リ・バース60」申し込み前年同期比445%!
一方、住宅金融支援機構が同日発表した、住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ型の住宅ローン「リ・バース60」の今年第2四半期の利用実績が98戸と前年同期比445.5%と急増しました。
「リ・バース60」は、60歳以上を対象にした住宅ローンで毎月の支払いは利息のみで、元金は利用者が亡くなった時に担保住宅の売却で一括返済するローンです。
総務省統計局によると、60歳以上の世帯では7割以上が住宅所有の現状に、元本返済分はリフォームやバリアフリー化などのニーズがあり、何より老後の生活資金の余裕が考えられます。
●関連記事:「住宅ローン「フラット35」7ケ月連続過去最低金利を更新!金融機関の低金利過当競争に金融庁は「逆ざや懸念」緊急調査」[2015.2.6配信]
[2018.9.3]
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