日本公庫、民間金融機関へ農業分野への融資参入を支援!迫るTPP、EU、米国とのFTA
日本公庫、全国金融機関と129機関と連携、農業者へ融資促進
日本政策金融公庫(日本公庫)・農林水産事業は8月24付けで北陸信用金庫と「CDS(Credit Default Swap:取引先の倒産に備える保険)に関する基本契約」を締結しました。
この契約締結で同公庫・農林水産事業が本契約を締結する金融機関は全国129機関に上りました。
この契約は、同公庫・農林水産事業が民間金融機関による農業分野への融資参入を促すためのもので、同公庫は民間金融機関が農業者へ融資資金の一定割合を信用補完することで、無担保・無保証の融資が可能になり、農業者ニーズに応えられる内容となっています。
農業経営アドバイザー、4,775名に
日本公庫・農林水産事業は8月24日、平成30年度前期の「農業経営アドバイザー研修・試験」を実施し、新たに217名が合格し、「農業経営アドバイザー」は全国で4,775名に増えました。
「農業経営アドバイザー」4,775名の内訳を見ると、、金融機関職員が1,532名、農協職員が1,202名、税理士・公認会計士が1,035名、公庫職員336名など、農業経営者からの要望に専門的に対応、経営を支援していきます。
日本公庫・農林水産事業では、資金面や人的面でも農業経営者を支援する方針です。
昨年の農業の景況DIは過去最高に、ただ、生産物・地域で格差
日本本公庫・農林水産事業が今年3月に、融資先農業者への「農業経営調査」によると、有効回答数6,711件で、平成29年の通年での景況DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、28年の過去最高値20.0を更新し、21.2と、好調な販売単価から景況感が上昇しました。ただ、世界的な異常気象により、生産物や地域によっても大きな差があり、景況が悪化している部分もあります。
一方、今年通年の見通しでは、価格の先行きの不透明感から稲作、肉用牛を中心に慎重な判断が目立ち、昨年より12.6ポイント縮小し、8.6ポイントまで低下する見通しと言います。
安倍政権、農業経営者のために関連情報集約、開放へ
安倍政権は、農業の競争力強化のため、気象や土壌などに関しての情報を集約したデータベースを構築し、農業経営者へ開放する方針を示し、平成31年4月の本格運用を目指します。
貿易自由化は急速に進展しており、TPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)の発効や、EU(European Union:欧州連合)とのEPA(Economic Partnership Agreement:経済連携協定)も控えています。
さらに、米国は日本の自動車の関税引き下げに、日米2国間でのFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)を要求し、農産品の市場開放を迫ってきています。
米中貿易戦争や、トルコのリラ急落などによる新興国の経済的な影響に、日本も他人顔ではいられなくなっています。
●関連記事:「食料自給率2年連続38%!自由貿易で輸入農産物拡大か日本農業拡大か」[2018.8.13配信]
[2018.8.29]
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