猛暑が消費心理を刺激!国内景気4ケ月ぶりに改善
西日本豪雨で被災企業活動停滞も、異常な猛暑で消費者心理改善
帝国データバンクは8月3日、「TDB景気動向調査(全国」」7月調査を発表。国内景気は4ケ月ぶりに改善、猛暑が消費を刺激したと発表しました。
今年7月の景気DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、前月から0.5ポイント増の49.5と改善し、西日本を中心に台風や集中豪雨で被災地の企業活動を停滞させたものの、異常な猛暑や上昇した賞与で消費者心理も改善されました。
今後は、輸出や企業の設備投資が堅調に国内景気を下支えし、災害からの復興ニーズが現れてくるとみられますが、米中の貿易摩擦や原油高による影響が懸念されます。
大企業、中小企業、小規模事業者、揃って4ケ月ぶりに改善
企業の規模別で見ると、大企業や中小企業、小規模事業者全てが前月からポイントが上がり、4ケ月ぶりに揃って改善しました。
大企業は、訪日外国人客ニーズで免税店などが好調で「小売業」が改善。東京オリンピック・パラリンピックや災害復旧ニーズ、活発な宿泊施設など「建設業」が牽引しました。
中小企業では、夏物商材の物流が活発化したことで「運輸・倉庫業」が大きく改善し、貸金業や損害保険など「金融業」が3ケ月ぶりに景気DI50台を回復しました。
小規模事業者は、好調な「建設業」や「産業機械業」を得意先とする鉄鋼や非鉄、興業製品、化学品など「卸業」が牽引しました。
夏物商材の活発な動きで輸送業が大幅に改善
業種別では、「運輸・倉庫業」の景気DIは50.3と3ケ月ぶりに50台を回復しました。
西日本を中心に台風や集中豪雨の停滞で被災地での物流網が寸断され、さらに燃料価格の上昇でマイナス要因があったものの、異常な猛暑となり夏物商材などの動きが活発化し貨物自動車運送が大きく改善しました。
夏の行楽シーズンや訪日外国人客ニーズも追い風となって乗用旅客自動車運送などの景況感も改善しました。
猛暑のため、夏物商材が前年から大幅に上回り、主要コンテナ貨物の輸出入の取り使い量も増え、インターネット通販、お中元の荷物など配送業も牽引しています。
猛暑による農水産物の価格が懸念
先行きに関しては、継続的、安定的に「運輸・倉庫業」や「梱包業」、「建設業」はじめ、ニーズはあると見込んでおり、港湾運送も堅調に伸びると予測する一方、猛暑による農水産物の出荷額が安定せずに先行きは不透明な部分もあります。
原油価格の上昇で、燃料費も上昇、さらに人手不足による人件費の高騰と不安要素も残っています。
ただ、全10業種中、8業種が改善、悪化したのは2業種にとどまり、地域別でも10地域中9地域が改善するなど連日の猛暑の影響が左右した結果となりました。
この先の原油価格や貿易戦争に、いつ起きてもおかしくない異常気象による災害が懸念されます。
●関連記事:「景気DI:3ヶ月連続UP!/企業の海外進出:就職戦線は採用もグローバル化」[2011.2.9配信]
[2018.8.8]
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