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超低金利長期化で住宅ローン56%が「変動型」選択!支払い増のリスク、リスケの活用も

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変動型の選択、過去最高に
住宅金融支援機構が6月5日発表した「2017年度第2回民間住宅ローン利用者の実態調査」によると、住宅ローンを変動型金利で借り入れた割合が、平成29年度下半期(平成29年10月〜30年3月)の利用者で56.5%に拡大、過去最高になりました。
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日銀による異次元金融緩和政策によって、変動型金利は超低金利と固定型との差が拡大しているのが背景にあります。
日銀の金融緩和政策は、維持するとの見解を示していますが、変動型金利は半年毎に見直されるため、金利が上昇すれば将来、住宅ローンの支払いが増えるリスクもあります。

銀行各行で競合、変動型金利は0.6〜0.8%
変動型金利は、短期プライムレートを基準に住宅ローン金利に適用しており、短期プライムレートは銀行など金融機関が財務状況などにおいて優良で信用ある企業に融資する最優遇貸出金利で、1年以内の短期貸出金利を示しています。
変動金利は、各行の店頭表示では2.4%〜2.5%となっていますが、他行との競合、顧客獲得のために金利を引き下げる金利優遇を行なっており、実際には0.6%〜0.8%まで下がります。
一方、固定金利の代表とも言える「フラット35」では、10年前から低下傾向おにあり、現在は1.37%〜2.01%と10年前のほぼ半分にまで下がっています。

今が買い?超低金利に住宅ローン減税
家計において住宅ローン残高は増加しており、超低金利に加え住宅ローン減税の導入により、融資されやすい環境が整っているためです。
日銀の統計では、平成29年度末時点の住宅ローン残高は、202兆3,407億円と6年連続で過去最高を更新しています。
住宅金融支援機構によると、平成29年度下期に変動型でローンを組んだ人の割合は前年同期から9%増えており、銀行各行でも優遇金利引き下げ競争で金利は下落傾向にあります。

リーマンショックで住宅ローンのリスケジュールも可能に
平成20年、100年に1度と言われる世界的な金融危機「リーマン・ショック」が起き、翌年の12月に中小企業金融円滑化法が時限法として可決、成立され、銀行など金融機関へのリスケジュール(条件変更)が認められました。
これは、中小企業などの借入額の返済やリース料に適用され営ますが、住宅ローンも同様に対象となっています。
金融庁によると、住宅ローンのリスケジュール申請数は、平成22年度(平成22年4月〜23年3月)の11万793件をピークに年々減少傾向にありますが、平成29年度8平成29年4月〜30年3月)は2万9,416件と減少しているものの、申請があるのは現実です。
同法は3回の延長後も、金融庁の要請で金融機関が積極的に対応しているのが実情であり、「金利が安い」というだけで住宅ローンを組むにはリスクがあることも忘れてはならないでしょう。


[2018.7.11]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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