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景気動向2ケ月ぶりに悪化!先行きは改善、懸念材料は貿易戦争

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前年同月からは3.3ポイント上昇
帝国データバンクが5月7日発表した今年4月の「景気動向調査(全国)」によると、全国の景気DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、前月から0.6ポイント減の49.8と2ケ月ぶりに悪化しました。ただ、前年同月からは3.3ポイント上昇しています。
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4月の国内経済は、人件費や資材料のコスト上昇に、工事減少や生産活動の停滞も重なり50.0を割り込み、足踏み状態となりましたが、今後は緩やかな拡大傾向での推移が見込まれる一方、海外との貿易関係が景気を下押しするリスクとなる可能性があり動向が注目されます。

全産業で悪化、年度末ニーズの反動
4月は全産業で悪化し、全産業の悪化は、株式や為替が大きく変動した平成25年6月以来、4年10ケ月ぶりとなりました。平成29年度末ニーズの反動により工事の減少やコスト負担などにより「建設業」では1.0ポイント減と悪化しました。
4月は新年度に入り例年以上に公共工事も落ち込み、新設住宅着工戸数も減少。さらにゴールデンウィークを控え、生産活動が停滞した「製造業」も下押し圧力となりました。

先行きは、消費財引上げ駈込みニーズ、東京五輪が追い風
平成30年度の国内経済は、2019年の消費税引き上げに伴う駆け込みニーズや、2020年の東京オリンピック・パラリンピックニーズが追い風となり緩やかに拡大傾向が見込まれています。
輸出産業は過去最高の利益を出す企業も見られ、省力化ニーズの高まりから設備投資も期待されます。これに伴い個人消費も雇用環境が改善し、賃金なども上昇傾向で緩やかに回復していくと予想されます。
一方、マイナス要因としては、深刻な人手不足が懸念されており、世界経済も全体的には改善傾向とされていますが、諸外国との貿易摩擦が懸念材料となります。

TPP関連法案、ようやく国会で審議開始
米中間では激しい貿易戦争が繰り広げられ、結果によっては日本にも大きな影響が出る可能性もあります。
11ケ国で自由貿易をめざすTPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)は、5月に今国会が19日ぶりに正常化し、ようやくTPP関連法案の審議が始まりました。
TPP加盟国の広がりに米国も復帰を促す材料となりそうですが、あくまで米国は2国間での自由貿易を迫ってきます。
また、5月10日には、日中韓首脳会談の共同宣言が公表され、北朝鮮問題とは別に、日中韓でのFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)やRCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership:東アジア地域包括的経済連携)交渉を加速する事で合意しました。
今後の海外情勢、経済、経済連携の動向が注視されます。


[2018.5.14]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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