「増収」の貸金業者はたった2割!銀行カードローン競合が明確に
増加する「倒産」、「廃業」
ここ数年、貸金業界では、過払い金の返還や年収の3分の1までしか貸し出せない総量規制、上限金利の引き下げにより経営環境は著しく悪化し、「倒産」や「廃業」に追い込まれる貸金業者が増加しています。
ピークの昭和61年には、貸金業者は4万7,504件ありましたが、平成29年3月末時点では1,865件にまで異常なほどに減少。平成22年6月に改正貸金業法が完全施行になったことも要因となりますが、同法が適用されない銀行カードローンに資金ニーズ者を奪われたと言っても過言でありません。
「サラ金」イメージ払拭、コンビニATMでも利用可能
銀行カードローンは、広告などで人気タレントなどを起用し「サラ金」のイメージを払拭し、コンビニエンスストアのATM(Automated Teller Machine:現金自動預け払い機)でも利用可能と利便性が良く利用者は急増しています。
ただ、金利は超低金利時代、住宅ローンも1%を切る中、銀行カードローンはおおよそ15%前後と負担が大きくなることを理解しておかなければなりません。
さらに、インターネット上では、資金ニーズ者と投資家などを結ぶ「ソーシャルレンディング」や「クラウドファンディング」など事業者にとっては便利なサービスも拡大しており既存する貸金業者にとっては脅威となります。
「減収・横ばい」は8割
金融庁によると、平成28年度、「増収」となった貸金業者は59社で全体のわずか21.3%。「減収・横ばい」が218社と同78.7%で約8割を占めました。改正貸金業法の総量規制で貸出残高が大幅に減少したことが影響しました。
貸金業者の規模を見ると、従業員数が「10人未満」が226社と全体の76.9%を占め、小規模企業が圧倒数を占めている状況です。
貸金業最大手は、ほとんどが銀行傘下となり、貸出残高を伸ばしている状況で、過剰融資の恐れから金融庁でも目を光らせています。
貸金業者上回る銀行カードローンの貸出残高
日銀の「貸出先別貸出金」によると、国内の銀行139行の平成28年度末時点の銀行カードローン貸出残高は、前年度から9.4%増え5兆6,024億円と消費者金融を含む貸金業者の貸出残高約4兆円を上回りました。
今後は、IT(Information Technology:情報技術)を活用した「ソーシャルレンディング」、「クラウドファンディング」など「FinTech(フィンテック」も競合になってきており、独立系の小規模貸金業者の淘汰が進むことも考えられます。
●関連記事:「新生銀行「レイク」銀行カードローン止め、IT・AI活用「新貸金業」を新設!」[2017.12.23配信]
[2018.3.30]
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