日本経済牽引する半導体危機!?スマホ販売台数、初の前年割れ
GDP、8四半期連続でプラス
内閣府が3月8日発表した昨年10月〜12月のGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)は、物価変動を除いた実質で0.4%増加。この状況が維持されれば年率換算で1.6%となり、8四半期連続でプラス成長となります。
ただ、これまで景気を拡大させてきた半導体産業で、増加幅が減少する動きが見られ、景気の先行きにリスクとなる恐れも出てきています。
世界の半導体市場を見ると昨年は、20%を超える伸びとなっており、スマートフォンやIoT(Internet of Things:モノのインターンネット)ニーズに支えられ、長期に好況が続くとの見方が広がっていました。
半導体の生産減「鉱工業生産指数」4ケ月ぶりのマイナス
ただ、今年1月に経済産業省が発表した1月の鉱工業生産指数は99.5で、半導体の生産減が足を引っ張り前月から6.6%低下し、4ケ月ぶりのマイナスとなっています。
要因となったのは、米アップル社が昨年11月に発売した高性能スマートフォン「iPhone 10」で、価格が高いことから販売不振が続いてることが影響しています。米調査会社・ガートナー社によると、昨年10月〜12月の世界のスマートフォン販売は前年同期から5.6%減少しました。
昨年10月〜12月のスマホ販売台数、初の前年同期比割れ
ガートナー社によると、この期間にスマートフォン販売数が前年を下回るのは平成16年以来初とのことです。
新興国市場では、低価格で高品質のスマートフォンが十分に市場に出回らなかっらことで、従来型携帯電話からの買い替えが停滞したことも影響しています。
また、ここ数年で高価で高性能なスマートフォンを所有することにより、買い替え周期が長期化していることも原因となっています。
世界のスマートフォン市場の昨年の年間販売台数は、約15億台超えで、前年から2.7%伸び、韓国のサムスンが全体のシェア20.9%、米アップル社が14.0%とほぼ横ばいでした。
半導体市場規模、世界的に2割拡大
半導体の業界団体・WSTS(World Semiconductor Trade Statistics:世界半導体市場統計)の日本協議会によると、昨年の世界の半導体市場規模は、世界主要地域での経済回復や電子機器の半導体ニーズや、メモリ市場の拡大を背景に前年から20.6%増加しました。
日本の半導体市場でも前年から15.7%増加しており、市場規模は約4兆578億円に上ります。
日本では、今年2月のスマートフォン販売台数トップ10では、トップに「iPhone 8」と「iPhone」が4つ占め、3つが「Y!mobile」のスマートフォンと急進するなど、スマートフォン販売に大きな縮小懸念はなさそうです。
●関連記事:「スマホ急普及に格安スマホの猛追で「Made in JAPAN」半導体製造装置の輸出が急拡大!」[2017.12.21配信]
[2018.3.14]
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