日本政策投資銀行X日本M&Aセンター「事業承継ファンド設立」
地銀を募り100億円規模のファンドに
政府系金融機関の日本政策投資銀行と日本M&Aセンターは2月5日、中堅・中小企業の事業承継を支援するファンドを共同で設立したことを発表しました。運用規模は50億円ほどですが、地銀などへ参加を募り100億円程度に増やす方針です。
両社は、共同出資で「日本投資ファンド」を設立。経営者の高齢化や後継者難など人手不足が深刻な中堅・中小企業の経営権を買い取り、企業価値を高めた上で新たな経営者や提携企業を見つけ、事業を譲り売却益を得る方針です。
支援対象企業は、年間売上高5億円〜200億円未満の中堅・中層企業に絞るようです。
米国のM&Aは日本の数十倍、ファンドが大きな役割
米国では、日本の数十倍にも及ぶ数多くのファンドが存在しており、中堅・中小企業の成長支援や、M&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)など最適な事業パートナーへの橋渡しを行なっており、成長戦略実現のため、ファンドが大きな役割となっていますが、日本ではまだまだ追いついていないのが実情です。
「日本投資ファンド」は、投資先企業の従業員や顧客、取引先、取引金融機関など、利害関係を十分に考慮した投資を行い、投資先企業の成長発展と地域活性に貢献し、高いリターンを実現するとしています。
「M&A30年の実績」と「ファンド運営実績・資金力」を融合
「日本投資ファンド」は、30年に渡り中堅・中小企業のM&Aを専門に行なってきた日本M&Aセンターの持つ開拓力や、経営者とのコミュニケーション力、成長実現力と、日本政策投資銀行が持つ豊富なファンド事業経験、資金力、地域活性支援力を融合させ、地銀各行とも連携し中堅・中小企業の成長発展と地域活性化を目指します。
「日本投資ファンド」は、雇用の約7割を担い手として日本経済を支えてきた中堅・中小企業の成長基盤の社会インフラとしての役割を目指す、全く新しいファンド運営会社となります。
日本企業関わるM&A件数、初の3,000件超え
上場企業などでは、成長戦略の一環として海外企業を買収する事案が相次ぎ注目を集め、平成29年、日本企業が関わるM&A件数は初めて3,000件を超え、過去最高を更新しました。
一方、数の上では圧倒的に多いのが中堅・中小企業の事業承継であり高齢化が加速する企業経営者にとってM&Aは身近なものになっています。中堅・中小企業の経営者の高齢化、事業承継者難など「日本投資ファンド」の影響力は発揮されるか今後の動向が注視されます。
●関連記事:「事業承継への税制改正、相続税・贈与税を免除に!日本の技術、知識、ノウハウは世界一」[2017.11.24配信]
[2018.2.10]
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