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金融庁検査「銀行カードローン」中間報告!「対応は、まだ不十分!」

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12行中5行、利用者の年収、勤務先は未確認
金融庁は1月26日、銀行カードローンに関する12行への立入検査の中間とりまとめを公表。銀行など金融機関や全国銀行協会は、自主的に過剰な貸付けや広告など抑制するとしたものの、5行が利用者の年収や勤務先などを十分確認していなかったことが判明しました。
また、3行は、利用者の返済能力審査体制を整えておらず、金融庁では各行に対し相談窓口の拡充を促し、今後も多重債務者の抑制に向け、金融機関を監視するとしています。
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12行中7行、貸付け額は年収の2分の1まで
金融庁は、昨年9月より、マスコミや国会でも取り上げられた銀行カードローンの過剰貸付けが、多重債務者の温床につながりかねないとしメガバンクやローン残高の多い地銀12行を対象に検査を開始。利用者の状況の変化の把握や、融資審査体制の整備、広告宣伝法などを中心に調査してきました。
金融機関の自主規制後も7行は、他行からの貸付額を含め年収の2分の1まで貸付上限を設定。このうち5行は、検査後に他行貸付も踏まえた上限枠設定は検討中としました。
金融庁は12行全てに対し、「対応が」不十分」と改善を求めました。

金融庁検査の着眼点は
金融庁の検査における着眼点としては、過剰な貸付けを防ぐため年収証明書の提出や、貸付け上限枠の設定など融資審査体制が構築されているか。融資実行後、定期的に利用者の状況変化を把握しているか。配慮に欠けた過剰な広告宣伝は行っていないか。保証会社の審査に過度に依存してないか。支店、行員に対しての業績評価体制はどうなっているかなどを検査し、残高全体の約6割を占める12行を対象に昨年12月末日までの実態を検査しました。
特に、広告宣伝に関しいては「年収証明不要」や「即日融資」はほぼなくなってきています。

金融機関の自主規制、一部だけは改善
金融庁では、今回の検査について、多重債務者の発生抑制や利用者保護などの観点を踏まえ、体制の一部だけに改善は見られたとしています。同庁では、検査対象の金融機関の改善状況や取り組みへの実効性を注視するとともに、利用者への相談窓口の拡充や信用情報機関に登録された情報の精度化を含め、残された課題について改善を促していくとしています。
一方、新生銀行は、今年4月から銀行カードローン「レイク」の新規融資を取り止めます。レイクの昨年9月末時点のローン残高は2,6723億円と新生銀行グループ全体の無担保ローンの約半分を占めています。主力であるレイクの新規融資を止めるのは思い切った決断といえます。


[2018.1.31]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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