事業承継への税制改正、相続税・贈与税を免除に!日本の技術、知識、ノウハウは世界一
日本の9割以上を占める中小、小規模事業者に税制優遇
安倍政権は、来年度の税制改正において中小企業の世代を交代を促すため、税金の優遇策を策定する方針を示しました。
日本は、政府や日銀などの経済指標においては景気が回復、改善傾向の数値が公表されていますが、実態の数値は、大企業が中心であり、日本に約380万社、日本の企業の9割以上を占める中小企業や小規模事業者にとって、その恩恵
が十分に届いていないのが実情です。
来年度の税制改正では、事業承継をする非上場株式の全てについて相続税を猶予し、事業継続する場合には限りなく納税を免除するとしています。安倍政権は、中小企業、小規模事業者に対し緊急の対応策を打ち出したこととなります。
事業承継できれば税金免除
来年度の税制改正では、猶予できる株数を全株の3分の2から全株に引き上げる方針で、結果、少なくても8割以上が納税を猶予される見通しです。現在、5年で8割以上の雇用を維持しなければ全額を納税する義務がありましたが、雇用計画の策定で条件をつけることで、撤廃する方針です。
また、世代交代により、事業継続している間は、一定の条件を満たせば猶予された税金を免除する方向で、相続税や贈与税など負担がなくなる次世代の経営者が増えると考えられます。
ただ、この優遇措置を課税逃れに利用される恐れも懸念されています。
NASAからも発注が来る日本の技術力
日本の中小企業や小規模事業者には、世界に通用する技術や知識、ノウハウを持ち、大企業と取引することも数多くあります。これは、米国のNASA(National Aeronautics and Space Administration:米国航空宇宙局)からも最先端の技術の発注が来るくらいの技術力です。
このような小さくとも力のある企業の廃業は、日本経済にとっては大きな停滞要因ともなってしまいます。経営者と後継者のマッチングを支援し、大都市部での管理職などが地方企業でもこれまでの経験を活かせるよう規定を緩めることも必要となってきます。
このまま放置すれば650万人の雇用が消失
経済産業省中小企業庁では、事業承継を今のまま放置すれば平成37年には約650万人の雇用、約22兆円のGDP(国内総生産)が失われる試算を公表。今後の10年で70歳を超える中小企業、小規模事業者の経営者は約245万人。このうち約半数の127万人が後継者が見つかっていないと指摘しています。
日本は、平成20年のリーマンショック以降、中小企業金融円滑化法のリスケジュール(条件変更)で倒産は減少傾向にあるものの、経済指標には公表されない企業の休廃業・解散は倒産件数の倍以上で現在でも増加傾向にあります。
事業承継が深刻となる現在、経済政策により税制優遇ほか、円滑な承継が可能となる政策が期待されます。
●関連記事:「後継ぎいない中小・小規模事業者127万社!日本企業の3割が事業承継者が不在」[2017.11.11配信]
[2017.11.24]
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