TVコマーシャルの「アディーレ法律事務所」業務停止2ケ月/東京弁護士会
過払金返還「着手金は1ケ月無料」、実態は5年近く実施
東京弁護士会は10月11日、債務整理や過払い金返還代行サービスを手がけるアディーレ法律事務所を、業務停止2ケ月の懲戒処分にしたと発表。同時に同事務所代表の石丸弁護士にも業務停止3ケ月の処分を課しました。
アディーレ法律事務所は、テレビコマーシャルなどで有名タレントを起用し、「過払い金の返還、あなたも対象かもしれません。着手金無料」と、大々的な広告を出稿し、「着手金は1ケ月無料」と期間を限定しキャンペーンを実施していましたが、実際には5年近くも実施。消費者庁が昨年2月に景品表示法違反にあたるとし、同事務所に同様の宣伝をしないよう措置命令を出し、東京弁護士会などに同事務所や所属弁護士に対し懲戒請求が起こしていました。
東京弁護士会「組織的な非行と言わざるを得ない」
東京弁護士会の渕上会長は今回の処分について「実際の取引条件より有利であると消費者に認識させ、極めて悪質な行為」と指摘。長期的に多数継続し組織的な非行と言わざるを得ないと批判しています。
東京弁護士会は、明治26年に創設され120年を超える歴史を持っており、約8,000人の弁護士会員数を持つ日本最大規模の弁護士会です。
東京弁護士会のウェブサイト上では、アディーレ法律事務所に関し、弁護士や弁護士法人の非行の防止に努めるとし、非行に対しては厳正に対処していくと明記。今回の問題について臨時電話相談窓口を設けたことを告知しました。
▼東京弁護士会:臨時電話相談窓口(Tel.03-6267-1007 受付・平日9:00〜17:00)
「アディーレ問題」相談窓口に2日間で2,000件
東京弁護士会が設置した臨時電話相談窓口には処分発表後、2日間で約2,000件の相談があったと言います。
アディーレ法律事務所は、平成16年10月に設立、テレビコマーシャルなどで知名度を上げ、現在は86拠点、180人を超える弁護士が所属しており、拠点数では日本最大です。
同事務所への依頼者は、複数件依頼している場合も多く、おおよそ約5,000〜最大で10万人になるとも言われています。過払い金返還を謳い文句に広告していただけに、消費者金融利用者がいかに多く、この機をきっかけに過払金返還に関しての相談が多くなるではと予測されます。
アディーレへの依頼者はどう対応すればいいのか
10月11日にアディーレ法律事務所の業務停止が発表されると同事務所のウェブサイトはアクセス不能。東京・池袋のサンシャイン60に入る本店にも「お詫び」の知らせが貼られ、電話も通じません。
東京弁護士会によると、依頼者が今、取るべき行動として、「アディーレからの通知を待つ」、「担当弁護士に連絡する(代表番号は不通)」、「臨時電話相談窓口に電話する」、「自身で弁護士を探す」と言いますが、現実問題、ここまでのことが依頼者にできるのか処分を下した東京弁護士会の今後の動向にも注目されます。
●関連記事:「旧武富士、グレーゾーン金利納税分の税金返還訴訟を地裁は棄却!利益は遡れないが、過払い金は遡れるの怪?」[2013.11.6配信]
[2017.10.18]
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