「中小企業再生支援業務に関する事業評価報告」を公表!地域経済活性化支援機構の活動期間を3年延長
中小企業活性化の課題に合わせた支援体制を構築
経済産業省中小企業庁は10月5日、平成28年度に認定支援機関が実施した中小企業再生支援業務に関する事業評価報告を、中小企業基盤整備機構から受け公表しました。中小企業基盤整備機構とは、中小企業施策の総合的な実施機関としての役割を持ち、中小企業を活性化するため課題に合わせた支援体制を整えています。
同機構では、中小企業の要望でもある販路の拡大や、海外での事業展開、人材育成などについて資金や人材、方法などあらゆる方面から具体的な支援策を提供しています。
平成23年3月11日の東日本大震災では、青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉県に産業復興相談センターをを設置し、被災事業者の再生支援業務も行なっています。
リスケジュールからの抜本的再生を重点に
中小企業基盤整備機構が平成29年9月27日にまとめた「平成28年度に認定支援機関が実施した中小企業再生支援業務に関する事業評価報告書」によると、平成27年以降、中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえ、中小企業への経営支援として「量」から「質」への対応に重点を置き、平成28年度は、暫定リスケジュール(条件変更)からの抜本的な再生へ移行する支援や、経営者保証に基づく保証債務の整理、相談を受けた事業者のニーズに合った経営改善計画策定支援などを重点項目に取り組みました。
また、中小企業の状況に応じて最適な支援を行うため、地域の金融機関や信用保証協会などとの連携を平成28年度は実施するとしています。
リスケからの再生300件、経営者保証の整理支援200名を目標に
一方、中小企業再生支援協議会では平成29年度の事業方針に基づき、暫定リスケジュール案件の早期見極めにより抜本再生に取り組み、支援完了件数300件を目指します。また、経営者の自己破産回避に経営者保証ガイドラインに基づいた保証債務の整理支援に、保証人ベースで200名への支援を目標としました。
前年度の同支援協議会への相談件数は、1,672件と前年度からが減少となりましたが、中小企業からの相談は減少したものの、金融機関からの相談は増加傾向です。同支援協議会では、地域の金融機関、経済団体関連機関などへの働きかけや連携を深め実効性のある事業再生を行うとしています。
中小企業、全産業の業況判断DIが低下
中小企業基盤整備機構による「中小企業景況調査(平成29年7月〜9月期)」によると、中小企業の業況は、一部業種に一服感がみられるものの、基調として緩やかに改善としています。全産業の業況判断DI(Diffusion Index:指数)は、マイナス14.8と3期ぶりに低下しました。
調査対象の中小企業では、「設備の老朽化で生産量が上昇しない」、「8月の長雨で夏物は大変厳しかった」、「残業や特別出勤の人材確保が困難」、「客単価が人材不足などで上げられない」など、大企業とは異なる中小企業の現状が見えます。
安倍政権は、このような中小企業経営者の声から、地域経済活性化支援機構の活動期間の平成33年3月末までを3年延長することを決めました。その目標達成に期待がかかります。
●関連記事:「中小企業再生支援協議会:リスケで一服!?事業再生相談件数4割減に今、すべきこと」[2011.3.3配信]
[2017.10.12]
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