外資系金融機関の日本市場参入再び!政府成長戦略「東京国際金融センター構想」で後押し
外資系金融機関、自社商品で再参入
平成20(2008)年のリーマン・ショック後、日本から徹底した外資系金融機関が、再び日本市場に戻りつつあります。日銀のマイナス金利政策の影響で運用先探しに四苦八苦している邦銀に対し、自前の商品を提供する動きが活発化してきました。政府も今年6月、成長戦略の一環として「東京国際金融センター構想」を掲げ、外資系金融機関の積極参入を後押ししています。
TDバンクは証券業務開始
総資産でカナダ2位のトロント・ドミニオン銀行(トロント W・エドマンド・クラーク頭取)は今年9月、日本国内で、証券業務を始めます。地方銀行やメガバンク、生命保険会社に対し、債券など利回りが確定する「フィクストインカム」商品を販売する予定。リーマン・ショック後の平成21(2009)年、日本の証券子会社を解散しましたが、現在、安定した利回りを得られる商品には商機があると判断し、日本への再参入を決めました。同行の日本法人は、「日本の投資家に知られていない米や豪、カナダドル建ての債券商品がある」とPRしています。
日本法人設立で高利回り外国債券の運用を
英総合金融大手のリーガル・アンド・ゼネラルグループ(ロンドン ナイジェル・ウィルソンCEO)も、年内をめどに日本法人を設立し、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金からの運用受託を目指します。すでに平成27(2015)年、明治安田生命保険(明治安田生命保険(相):東京都千代田区 根岸秋男社長)と資産運用で業務提携し、共同で商品開発を続けてきました。日本法人設立で利回りの高い外国債券の運用を増やし、需要を掘り起こす考えです。
日本支店増加は過去10年で初めて
経済産業省によると、外国銀行の日本支店は、今年6月時点で55行。台湾の玉山銀行(台北市 曾國烈代表)と台湾中小企業銀行(台北市 朱潤逢代表)が免許を得て、1年前より2行増えました。増加に転じるのは過去10年で初めて。政府は、日本を世界の金融基地に押し上げる計画で、平成30(2020)年までの4年間に、外国の金融機関計40件の追加誘致を目指しています。
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[2017.8.30]
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