日銀3月短観:「大企業、中小企業の景況感改善」。非製造業は6四半期ぶり。一方、先行きは全体的に悪化
デフレの出口はまだ遠い
日銀が、3月の全国企業短期経済観測調査(日銀短観)を発表しました。内容は、よくもあり、悪くもあるといったところ。海外経済の持ち直しや円安などを背景に、大企業、中小企業とも景況感が改善し、経済は回復基調です。一方で、米欧の政治リスクなど海外情勢に対する企業の警戒感が強く、先行きは悪化が予想されました。デフレの出口はまだ遠そうです。
非製造業は6四半期ぶりに改善
業況判断DIという指標があります。「景気が良い」と感じている企業の割合から、「景気が悪い」と感じている企業の割合を引いたもので、50が横ばいを表し、それを上回ると「景気が良い」、下回ると「景気が悪い」と感じる企業が多いことを示します。今回の調査では、大企業・製造業がプラス12、同非製造業がプラス20で、前回の昨年12月調査に比べ、それぞれ2ポイント改善しました。改善は製造業が2四半期連続、非製造業が6四半期ぶり。中小企業も、製造業がプラス5と4ポイント改善、非製造業がプラス4と2ポイントの改善でした。
個人消費の持ち直し?
業種別では、はん用機械や自動車などが比較的大きく改善しました。海外経済の回復による輸出の増加や、円安進行による業績改善に期待が集まっている様子です。宿泊や飲食サービスなども改善しており、個人消費がやや持ち直してきたことを反映している可能性があります。
先行きは全体的に悪化の予想
一方、先行きについては、大企業・製造業がプラス11、同非製造業がプラス16、中小企業・製造業がゼロ、同非製造業がマイナス1と、全体に悪化が予想されました。米国のトランプ政権は、どうにも安定性を欠きます。保護主義的な政策運営は世界的懸念材料といえます。
●関連記事:「全国企業短期経済観測調査(日銀短観12月):大手製造業四半期ぶり改善/販売価格判断DIマイナス」[2017.1.4配信]
[2017.4.11]
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