三重銀行と第三銀行が経営統合で、連結資産は中部3県で地銀4位に。店舗統廃合や人員整理は急務
三重+第三=中部3県で地銀4位へ
地銀の再編が盛んですが、中部地方で大きな動きがありました。三重銀行((株)三重銀行:三重県四日市市 渡辺三憲頭取)と、第三銀行((株)第三銀行:三重県松坂市 岩間弘頭取)が、経営統合で基本合意しました。これにより、連結総資産は、中部3県で地銀4位に浮上します。隣の愛知県は、国内屈指の成長市場の1つ。第3位の百五銀行((株)百五銀行:三重県津市 伊藤歳恭頭取)の対抗軸として、存在感を示せるかどうかがカギでしょう。
エリアの補完関係が好材料
三重県四日市市に本店がある三重銀行は、北勢地域に店舗が多く、同県の熊野地方にルーツを持つ第三銀行は、南勢地域に店舗が多いという特徴があります。つまり補完関係があり、統合により、北勢では百五銀行を上回ります。愛知県内で店舗の重複がほとんどない点も好材料です。
「中小企業にとっても未来志向の経営統合」目指す
地元の期待も大きく、三重県の鈴木英敬知事は「県内中小・小規模企業にとっても未来志向の経営統合となるよう期待している」、三重県商工会議所連合会の岡本直之会長は、「経営基盤の充実した銀行ができることは、商工業者にとってもありがたい」とコメントしました。
重複店舗の統廃合、人員整理急務
とはいえ、課題は山積しています。両行の店舗数を単純合算すると百五銀(135)を上回る173に膨らみ、重複店舗の統廃合が避けられません。人員整理も急務でしょう。第三銀は、リーマン・ショック後の平成21(2009)年に300億円の公的資金の注入を受けた経緯があり、日銀のマイナス金利政策が長期化するなか、経営改善が順調とも言えません。
中部地方の地銀再編は加速
いずれにせよ、今後、中部地方の地銀再編は加速するでしょう。それは、トップを走る十六銀行((株)十六銀行:岐阜県岐阜市 村瀬幸雄頭取)が岐阜銀行を吸収合併した、平成24(2012)年以来となる大型再編かもしれません。
●関連記事:「金融庁、地域金融機関へ再編圧力!大東京・北部信組合併,ゆうちょ銀上場が起爆剤?信用組合へも再編波及」[2014.12.31配信]
[2017.3.15]
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