金融業界の電子化進む。分散台帳技術「ブロックチェーン」、年内に5行程度で実用へ
送金コストは10分の1以下に
金融業界の電子化が急速に進むなか、国内の銀行連合は、分散台帳の技術「ブロックチェーン」を駆使したサービスを年内にもスタートさせます。各銀行が独自に送金システムを構築するコストが削減できるため、送金コストが10分の1以下に抑えられ、手数料も下がります。スマートフォン(スマホ)のアプリを使った、少額送金をするなどの用途を見込んでいます。
年内に5行程度でスタート
この事業を担う「内外為替一元化コンソーシアム」の会長に就任したのは、りそな銀行((株)りそな銀行:大阪府大阪市 東和浩社長)の中尾安志常務執行役員。47行の代表者が集まって開かれた記者会見では、「ブロックチェーンは実証実験から実用の段階へと移った」と語りました。年内に5行程度ではじめ、平成30(2018)年以降、対応する銀行を増やしていきます。
クラウド+スマホ=シンプルな仕組み
仕組みはシンプルで、クラウド型のシステムで銀行同士をつなぎ、スマホのアプリなどを使って送金できるようにするというもの。システム開発を手掛けるSBIリップルアジア(SBI Ripple Asia(株):東京都港区 沖田貴史社長)の沖田貴史社長は「将来的には、インターネット上の情報と同じように、タダ同然でお金も扱えるようにする」と説明します。
送金の手軽さと安さが当たり前の時代に
これまで、国内向けには全国銀行データ通信システム(全銀システム)、海外向けには国際銀行間通信協会(スイフト)など、大掛かりな決済網が使っていたのに比べると、別世界です。
しかも、24時間いつでも利用でき、実際の送金処理は約1秒で完了。インターネットの普及により、メールやスマホのメッセージを大量に送っても追加料金がかかることがなくなりましたが、送金でも、こんな手軽さと安さが「当たり前」の時代になりました。今後も進化を続けます。
●関連記事:「改正銀行法成立。金融+IT=「フィンテック」で金融業界の成長を後押し。銀行も新ビジネスへ活路の時代」[2016.5.30配信]
[2017.3.11]
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