ブリジストン:バイオマス合成ゴムを開発/天然ゴム強度を超える
強度、高い耐久性、低燃費性
ブリヂストン((株)ブリジストン:東京都中央区 津谷正明CEO)が、バイオマス(生物資源)を加工した、新たな合成ゴムの開発に成功しました。
強度で天然ゴムの性能を超えるほか、高い耐久性と低燃費性も兼ね備えた優良素材になりそう。2020年代の実用化を目指します。
天然ゴムにもアジアの人件費高騰が影を
タイヤ1本に使う材料は、半分がゴム。ゴムには「パラゴムノキ」から抽出する天然ゴムと、石油由来の合成ゴムの2つがあり、強度や耐久性では天然ゴムが優れています。
しかし、天然ゴムは、産地の9割がアジアに偏っており、病害や人件費の高騰などの問題を抱えています。
ブリヂストンの会田昭二郎フェローは「天然ゴムがこの先、何十年と継続して生産されるかということを考えないといけない」と述べ、安定生産が重要課題であることを強調しました。
植物を発酵させイソプレンを重合
ブリヂストンが開発したのは、バイオマスから抽出した成分に特殊な触媒を加えた「ポリイソプレンゴム」。
サトウキビやトウモロコシなど、さまざまな植物を発酵させ、抽出したイソプレンを重合して作ります。使用する触媒の構造を工夫し、理想の分子構造を実現させました。他の分子構造にも改良を加え、分子の長さのばらつきを小さくすることで低燃費性も実現しました。
現状は天然ゴムのほうが安価
課題は、やはりコストでしょう。市況に変化はありますが、現時点では、天然ゴムの価格のほうが、ポリイソプレンゴムよりも安い。
早期に量産技術を編み出し、コスト減をかなえてほしいと思います。資源は有限であり、新興国との競争のなか、いつか到来する供給難に備えることが肝要です。
●関連記事:「タイヤ革命続々!~洗剤成分で高性能素材、米では「NOパンク」商品普及に向け発進」[2014.12.18配信]
[2017.2.13]
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