国交省:都市公園整備に民間事業者、収益施設と広場を一体で整備
民間による優良な投資を呼び込む
都市部の景観の1つになる魅力的な「都市公園」が、日本には多くありません。観光立国を目指すのに、残念なことです。国土交通省は、平成29(2017)年度にも、都市公園の整備で、民間の事業者がカフェやレストランなど収益施設と広場を一体で整える制度を創設します。民間の参入で優良な投資を呼び込むことにより、変化が期待できます。先行事例を見てみましょう。
施設運営は最長10年。採算が立ちにくい
日本の都市公園の多くは、高度成長期につくられました。面積は1人あたり10平方メートル超と多いものの、老朽化が進み、維持費がかさんでいます。従来は、民間が収益施設、公園管理者が広場などの公共部分を別々につくるうえ、収益施設を運営できる期間が原則10年に限られていました。採算の見通しが立ちにくく、投資する魅力がなかったのです。こうしたなか、民間資金を活用して効率的に整備を進め、景観や不動産価値を上げた事例がありました。
富山市「世界一美しいスタバ」
たとえば、富山市の富岩運河環水公園と、スターバックスコーヒー(スターバックスコーヒー ジャパン(株):東京都品川区 水口貴文CEO)の事業。風景と一体になった整備により、同公園の店舗は、「世界一美しいスタバ」と称されます。平成27(2015)年には、大阪市の天王寺公園入り口の広場「てんしば」が、リニューアルオープンし、来園者を半年間で約209万人と、改装前の4倍に増やしました。近鉄不動産(近鉄不動産(株):大阪府大阪市 赤坂秀則社長)が同市から20年間の運営を引き受け、12億円強をかけて芝生広場、フットサルコート、ドッグラン付きのペット用品店などを誘致した結果です。外国人向けゲストハウスもあります。
37社が加わり推進協議会結成
「京都鉄道博物館」がある京都市営の「梅小路公園」の活性化プロジェクトには、JR西日本(西日本旅客鉄道(株):大阪府大阪市 来島達夫社長)や、オムロン(オムロン(株):京都府京都市 山田義仁社長)など37社・団体が加わり、施設整備から清掃活動の推進協議会までつくっています。
●関連記事:「サクラの花見目当ての訪日中国人が急増!上野公園は半数以上が外国人,宿泊料金は3倍でも予約満杯」[2015.4.7]配信]
[2017.2.8]
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