米国シェールガス、日本初上陸。新たな燃料仕入れ先として業界注目。トランプ大統領も積極的
トランプ大統領も輸出に積極的
新しいエネルギーとして注目される米国のシェールガスが、平成29(2017)年1月、ついに日本に上陸しました。天然ガスの大半を中東や東南アジアに依存し、エネルギー安全保障の面から調達先の多様化が課題になっている日本。米国では生産が本格化しているうえ、トランプ大統領も資源の開発や輸出に積極的です。新たな燃料の仕入れ先として、業界が注目しています。
油が高騰しても価格は比較的安定
シェールガスは、地中深く、硬い岩石の層に含まれる天然ガスです。採掘費が高いことがネックでしたが、平成12(2000)年以降、水圧破砕を応用した生産技術が確立され、生産量が飛躍的に伸びました。米国の埋蔵量は世界第二位。全米で50万人の雇用をつくり、「シェールガス革命」という言葉も生まれました。価格は米国内の需給で決まるため、原油が高騰しても比較的安定しています。
シェールガス由来の液化天然ガス
そのシェールガス由来の液化天然ガス(LNG)を積んだ船が、新潟県上越市の中部電力上越火力発電所に上陸しました。輸入したのは、中部電(中部電力(株):愛知県名古屋市 勝野哲社長)と東京電力ホールディングス(東京電力HD(株):東京都千代田区 廣瀬直己社長)が設立した火力発電事業の合弁会社「JERA」(ジェラ/(株)JERA:東京都中央区 垣見祐二社長)。輸入量は7万トンで、2週間分の燃料にあたります。JERAの佐藤裕紀執行役員は「シェールガス革命の効果を一日も早く日本に、という観点で取り組んできた」と語りました。
LNG値上がりに備え400万トン仕入れ予定
日本は年8500万トンのLNG輸入のうち、8割を中東や東南アジア、豪州に頼っています。中東産などのLNGの値上がりに備えるため、JERAは、シェールガスの調達量を増やす方針で、平成30(2018)年半ばには米国から年400万トンを仕入れ、全体の調達量の1割を賄います。東京ガス(東京ガス(株):東京都港区 広瀬道明社長)も、平成29(2017)年度後半に年140万トンのLNGを米国から輸入するなど、他社も準備を進めています。
●関連記事:「米新型天然ガス「シェールガス」量産の恩恵!?ドバイ原油価格下落でガソリン、灯油は値下げ傾向」[2014.10.25配信]
[2017.1.25]
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