ファーストリテイリング=島精機とタッグ/人件費に左右されない生産体制
アパレルでの第4次産業革命
消費者ニーズが多様化し、流行の移り変わるスピードが速まる一方のアパレル業界。低賃金の国での生産体制からの脱皮し、産業用ロボットや、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」をフル活用するシステムへの転換が、今年はさらに加速します。第4次産業革命と呼べる変化です。
米国並みの人件費になった中国
ファーストリテイリング((株)ファーストリテイリング:山口県山口市 柳井正社長)は、長年の主要生産地だった中国から、日本回帰へ舵を切ります。平成27(2015)年時点での中国の製造コストは、人件費の高騰によりすでに米国並み。
中国では、産業用ロボットの購入台数は平成27(2015)年に6万7000台と世界需要の3割を占め、自国企業による製造が勢いを増しています。
ニット編み機世界最大手の島精機とタッグ
こうしたなか、同社が急接近しているのが、ニット編み機では世界最大手の島精機製作所((株)島精機製作所:和歌山県和歌山市 島正博社長)です。昨年秋、同市内に共同で設立したニット工場では、世界最先端の技術による、縫い目のないセーターやワンピースが、続々と生産されています。
「自分たちが変わらなければ産業自体がなくなる」という方向転換の一端です。
人件費に左右されない生産体制を確保
アジアからの本国回帰は、スポーツ用品の世界大手、独アディダス(バイエルン州 カスパー・ローステッドCEO)が先駆的存在です。ロボットによる多品種少量生産を自国で行い、IoTで販売店と工場を直結。
店の在庫に応じて生産をきめ細かく調整し、ムダを極力なくしたうえで、顧客が求める製品をいち早く提供できる体制への切り替えを進めています。
人件費に左右されない生産体制。ファーストリテイリングが、その先駆者になることを願っています。
●関連記事:「ジーユー(アパレル):8月期決算で売上高1878億、営業利益222億の実績/ユニクロは大幅減益」[2016.11.12配信]
[2017.1.17]
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