経済産業省:大企業と下請け中小企業の取引条件改善包括策、自動車業界を念頭
中小企業が賃上げしやすい環境整備
経済産業省は今年9月、大企業と下請けの中小企業の「取引条件」を改善するための包括策をまとめました。
念頭にあったのは、自動車業界です。下請けに対して一律の割合で値下げを要請する商慣習を改めるなど、来年の春季賃金交渉に向け、中小企業が賃上げしやすい環境を整える方針です。
トヨタの原価低減効果は年間数千億円!
大手自動車メーカーは、部品メーカーや素材メーカーに対し、年率で数%程度の納品価格の引き下げを求めてきました。大半は、量産部品などで、毎年決まった割合の値下げを求めるやり方です。
自動車メーカーの技術者が仕入れ先の素材選びや生産工程の見直しに協力し、原価低減につなげるなどの方法は、いままでは少数派でした。
トヨタ自動車(トヨタ自動車(株):愛知県豊田市 豊田章男社長)や日産自動車(日産自動車(株):神奈川県横浜市 カルロス・ゴーンCEO)では、こうした原価低減の効果が年間数千億円とされています。
大手による無理な値引きは旧時代的
こうした「コストカットありき」の商習慣により、大手自動車メーカーは車の販売競争力を高めました。とはいえ、大企業が下請けに対して優位な立場を利用し、無理な値引きなどを要求するのは、"旧時代的"です。大手自動車メーカーは、適正な調達方針を定めるべきでしょう。
個人消費の底上げには中小の賃上げが効果的
平成27(2015)年、賃上げした大企業は全体の89%。一方、中小企業は63%でした。日本の労働者の7割は中小企業で働いています。
個人消費の底上げを図るにも、中小企業の賃上げが効果的とされます。円高や新興国経済の減速で、大企業も業績の下振れ懸念に揺れているのは事実。しかし、こういう時代だからこそ、産業構造を変えることが必要なのです。
個人消費の底上げを図るにも、中小企業の賃上げが効果的とされます。円高や新興国経済の減速で、大企業も業績の下振れ懸念に揺れているのは事実。しかし、こういう時代だからこそ、産業構造を変えることが必要なのです。
[2016.09.28]
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