広がるフィンテック②:資金調達の新手法「クラウドファンディング」、中小ベンチャー企業に活力
注目されるクラウドファンディング
IT(情報技術)を用いて金融の利便性を高める「フィンテック」は、地域の中小企業の活動をも変えようとしています。
資金調達の新たな手法として定着してきたのが、インターネットを通じて不特定多数から小口資金を募る「クラウドファンディング」。出資者と企業が直接つながる点が注目され、導入する企業が増えています。長野県の例を見てみましょう。
地域住民、顧客を呼び込み1億6000万円調達
成功例の1つは、軽井沢の人気コーヒー店「丸山珈琲」((株)丸山珈琲:長野県北佐久郡 丸山健太郎社長)。平成27(2015)年8月、神奈川県鎌倉市で開いた店舗が、住民や観光客でにぎわう有名スポットに成長しました。
元手は、同社がクラウドファンディングで集めた約1000万円でした。出資者には鎌倉店の地域住民も多く、顧客になってくれる丸山珈琲のファンを資金調達段階から呼び込んだ格好です。これまでに、のべ1600人から1億6000万円を集めました。
出資と宣伝効果両方を狙う戦略
「角口酒造店」((株) 角口酒造店:長野県飯山市 村松茂樹社長)は今年7月から、酒米の購入資金として、個人を中心に1口3万3000円を募っています。投資家には平成29(2017)年春、純米吟醸酒2本(計7000円相当)を送ります。丸山珈琲と同じく、出資と宣伝効果の両方を狙う戦略です。
ブドウから栽培して自社生産のワインを造る「カンティーナ・リエゾー」(長野県上高井郡 湯本康之代表)は、醸造設備費約800万円を調達しましたが、これも順調でした。
銀行と企業、共存共栄の動きへ
おもしろいのは、県内金融機関が、こうしたクラウドファンディングの支援に積極的なことです。八十二銀行((株)八十二銀行:長野県長野市 湯本昭一頭取)は地方創生プラットフォーム「CF信州」を立ち上げ、すでに5件の資金調達を支援しています。
資金集めや運用に金融機関のノウハウが加味されるなら、企業も心強い。共存共栄の動きともいえます。
[2016.09.27]
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