小池都知事:築地の移転延期!利害関係者と調整/背景に「都民ファースト」
小池新東京都知事がさっそく手掛けたのが、築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転延期です。11月7日の移転を控えた土壇場での延期決定です。
移転推進派、移転反対派ともども賛否が交錯するなか、「都民ファースト」をどう貫き、関係者の利害をどう調整していくのでしょうか。今後の動きがが注目されます。
まだ終わっていない豊洲の地下水調査
小池知事が重要視したのが、「安全面」です。都が平成26(2014)年から進めてきた豊洲の地下水調査は、まだ終わっておらず、移転はいわば見切り発車でした。
これまでの7回の調査で、有害物質のベンゼンの濃度は環境基準値未満ですが、平成29(2017)年1月に出る最後のデータを待つことになりました。
安全確認が移転の大前提
市場は都民の大切な「台所」であり、安全確認が移転の大前提という小池都知事の判断基準は、これまでの見切り発車から比べると妥当性があると言えます。専門家が集まった「市場問題プロジェクトチーム」も、安全を最優先としています。
市場は都民の大切な「台所」であり、安全確認が移転の大前提という小池都知事の判断基準は、これまでの見切り発車から比べると妥当性があると言えます。専門家が集まった「市場問題プロジェクトチーム」も、安全を最優先としています。
迅速正確に調査検討を
一方、規定路線を覆すため、多くの調整が必要になりました。しわ寄せがいく卸業者や事業者に対しては、迅速な対応が必要です。豊洲市場の建設費が2752億円と、計画の2.8倍に膨れあがった経緯も検証の対象で、調査に時間が必要な事柄です。豊洲市場の冷蔵設備などに既に大きな投資している事業者もあり、移転が遅れる分だけ回収も遅ます。
そもそも、11月の移転予定は、平成32(2020)年の五輪の幹線道路とする環状2号の整備スケジュールから逆算された一面があります。
消費者も都民。事業者も都民。小池都知事が提唱する「都民ファースト」をどう示していくのか、築地移転問題に始まる調整能力を期待したいところです。
きつい一本を取られた/安倍首相
東京都知事選挙で並居る政党推薦候補を制して、大差で当選した小池百合子知事に、安倍首相がうなるようなリーダーシップを示しました。安倍晋三首相が語った「きつい一本を取られた」が印象的です。
[2016.09.02]
[2016.09.02]
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