秋田の油田復活:国際石油開発帝石/秋田の油田復活、日本版シェール革命
秋田市内の廃油田を復活
「日本版シェール革命」というフレーズを耳にします。国際石油開発帝石(INPEX/国際石油開発帝石(株):東京都港区北村俊昭社長)が、秋田市内の廃油田で原油の再生産を目指すことを差す言葉です。生産停止の油田の復活は全国的にも珍しく、注目を集めています。
早ければ平成30年から採掘スタート
再生産の場所は、44年前に操業を停止した「八橋油田」(秋田市)の北部地区。新たに井戸が掘削され、にぎわった当時の技術では取り出しにくかった砂岩の隙間に貯留されている原油(タイトオイル)について、採掘できるかどうかの調査が始まりました。
掘削は地下約2060メートルの深さです。地下のデータを基にして、残っている油やガスの量を確認、推計、採算性を判断します。早ければ平成30(2018)年度にも採掘がスタートします。
地層に水圧をかけて原油を取り出す技術
近年、シェールオイルの採掘でも使われた「水圧破砕法」が実用化されました。地下の堅い地層に水圧をかけて原油を取り出す技術です。同社では、「シェールオイルは調査対象外」としていますが、こうした新技術が、廃油田の再利用を促す可能性は、今後も大きいと言えるでしょう。
日本のエネルギー問題解決の突破口
経済産業省の生産動態統計によると、平成27(2015)年の国内の原油生産量は、計59万6300キロリットル。都道府県別の内訳が最後に公表された平成24(2012)年時点で、国内原油生産に占める秋田のシェアは約18%でした。
専門家の1人、秋田大学大学院の荒戸裕之教授(石油地質学)は、「最新技術が適用できれば、秋田県内の枯渇油田での応用が期待できる」と指摘しています。
エネルギー安全保障の面では、きわめて脆弱な日本。難題解決の突破口に期待が高まります。
[2016.08.23]
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