愛知産業:「日本にない仕様、付加価値のつく機械」でオンリーワン、独自に販路開拓!
デフレが続き、消費が伸びません。どの企業もマーケティングに苦労するなか、独自の手法で販路を開拓している企業を紹介します。
溶接機など産業機械のエンジニアリング商社・愛知産業(愛知産業(株):東京都品川区井上博貴社長)。日本にない仕様で、付加価値のつく機械に着目するビジネスモデルです。
航空宇宙分野から医療分野まで適用できる
同社の最近の成功事例は、金属積層造形技術です。電子ビームやファイバーレーザーを使い、必要な部分の金属粉末を溶解、凝固させて金属部品を製作する技術で、航空宇宙分野、自動車分野、医療分野等に幅広く適用できます。
今年3月、米国の電子ビームメーカー・シャーキー社(イリノイ州シカゴ市)と契約し、電子ビーム3D積層造形装置などを日本市場で販売する権利を取得しました。欧州とも、相次いで独占契約を結んでいます。
たとえば、チタン合金で部品を作る場合、溶解、鍛造、切断、切削合吟などの各工程が必要ですが、この装置を使えば、18か月の作業期間が3か月に短縮でき、コストも半減します。
初期投資額こそかさみますが、同社では、この分野ですでに取得、導入している「アーク溶接による積層造形」「レーザー加工と金属粉末(パウダー)を結びつけた技術」と組み合わせ、顧客のどんなニーズに対してでも、金属積層造形技術を提案できる体制を整えました。
量産品だけでは不毛の価格競争
いずれの技術のレベルも高度で、それが、国際競争に勝つための付加価値になっています。量産品だけでは、価格の値引き競争に巻き込まれます。付加価値を追求し、同時に、溶接や積層造形時の速度や温度など最適条件をノウハウとして蓄積することで、オンリーワンを目指します。
コストにばかりにとらわれた技術、常識を超えたオンリーワンを目指す事こそ、モノづくりの基本と言えるかもしれません。
[2016.09.20]
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