「消費活動指数」開発(日銀)、「販売側」からの統計で判断し、個人消費を正確に把握。
景気動向をとらえる指標はさまざまありますが、用途に応じて工夫された新たな指標づくりも進んでいます。
日本銀行が、「個人消費」の動きをより正確にとらえるための月次指標「消費活動指数」を開発しました。この分野で有名な総務省の「家計調査」に代わる指標としています。
消費の実勢を映していない/家計調査
家計調査では、全国約9千世帯の方々を対象とし、家計の収入・支出、貯蓄・負債などを毎月調査、発表します。しかし、「調査世帯が偏り、消費の実勢を映していない」などの批判も出ていました。
消費水準は「販売側」からの統計で判断
日銀の消費活動指数は、それぞれの支出の比率を定めるために家計調査を使いますが、消費水準自体は、「世帯側」からではな「販売側」から集めた統計で判断します。財やサービスの販売状況を示す数十種類の政府統計や業界統計を組み合わせた緻密なもので、平成22(2010)年を100とし、名目値と物価上昇の影響を除いた実質値の両方を示します。
対象は42品目のモノとサービス
国内総生産(GDP)の6割弱を占める個人消費の動きは、極めて重要です。自動車や家電など42品目のモノやサービスについて詳細な指数を出すことで、今後の景気判断や政策運営に生かすのが狙い。
分析には、店舗を構える小売店によるインターネット販売の実績を加えたり、訪日外国人旅行者による消費をのぞいたりするなど多くの工夫を凝らし、より実態に近い数値を求めました。
基本的に、毎月第5営業日の午後2時に公表され、誰でも見ることができます。
万能なモノサシはないが...
日銀は平成26(2014)年秋にも、物価の基調を的確に押さえるため、「生鮮食品とエネルギーを除くベース」という独自指標を公表しました。
万能なモノサシは存在しませんが、景気判断が世界的に難しい時期だけに、現状を反映した的確な指標は事業者にとっても、政策立案の観点からも、とてもありがたいと言えます。
[2016.5.7]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 「消費活動指数」開発(日銀)、「販売側」からの統計で判断し、個人消費を正確に把握。
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/2517
コメントする