日銀:さくらリポート(地域経済報告)、東北以外8地域は上方修正/観光産業など非製造業が好調
東北のみ引き下げに
日銀が公表するレポートの1つに地域経済報告(通称:さくらリポート)※があります。四半期に1度、全国の支店長が本店に集まり、各地の景気を議論したものです。今年4月、黒田東彦総裁ら幹部も参加して前回1月と比較したところ、全国9地域のうち東北についてのみ、景気判断を「新興国経済の減速などで弱含んだ状態が続いている」と引き下げました。
海外向け生産が、「弱含み」/東北
東日本大震災からの復興が進む東北。引き下げは2014年10月以来、1年半ぶりで、震災5年の節目に水を差した格好です。中国など新興国の景気が振るわず、生産用機械や電子部品などの海外向け生産が「弱含み」とされました。東北には、この分野の企業が多いのです。
訪日客の消費で恩恵/近畿
特に近畿からは、「スマホ向けの部品の生産が減少したものの、増加する訪日客の消費で恩恵を受ける非製造業が好調」(大阪支店)とのコメントがありました。
ただし、個別項目の「生産」に限っては、新興国経済の減速を要因として、東北、四国、九州・沖縄でれぞれ引き下げられました。
生産では、やはり、円高が懸念されます。自動車が主産業の東海は「収益の圧迫要因になりやすい」(名古屋支店)、関西も「『(円相場が)安定してほしい』との声が出ている」とコメント。日銀は今後も、円高による輸出製造業への影響を点検していきます。
興国経済の減速や円高の影響が大きく
北陸と近畿では、前回の「緩やかに回復している」を「回復している」に引き上げました。
東海も、「基調としては回復を続けている」とした前回から、「着実に回復を続けている」に上方修正しています。
今回の桜レポートでは東北以外の8地域は、回復基調を基本とした上方修正での景気上向きとの判断でした。
[2016.4.26]
地域経済報告(さくらレポート)
毎年3カ月ごとの1月、4月、7月、10月に行われる日銀支店長会議で収集した北海道、東北、北陸、関東甲信越、東海、近畿、中国、四国、九州・沖縄の9地域についての経済情報をまとめたレポート
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