コンパクト都市構想/「都市再生特別措置法」を本格化、富山市が先駆的モデル
コンパクト都市の先駆者は富山市
政府が「コンパクト都市(シティー)」構想を本格化させます。人口減社会、超高齢社会の到来にあわせ、住居や商業、医療などの機能が集まった利便性が高い中小規模の都市づくり目指すもので、税制優遇や容積率緩和などで地方自治体を後押しします。富山市が先駆的です。
政府は2014年、「都市再生特別措置法」を改正しました。法令に基づき、市町村が機能集約区域を示した「立地適正化計画」を策定すれば、土地の用途規制や容積率が緩和されます。さらに、富山市が実践する「次世代型路面電車」(LRT)のように、地方自治体が次世代型路面電車やバスの乗り換えターミナルなどを整備する場合、国が最大で半分相当の費用を補助することにしました。税制面でも、施設を移転させる際の所得税などを軽減します。
土地の人が理念とイメージを共有できるかが課題
政府は今年度中に、3つのケースに分けた10以上の候補自治体を選び、それぞれを後押しする予定です。3つとは、「人口規模が20万~30万人程度」「10万人程度」「それ以下」。支援の具体的な審査基準案は、「民間資金の活用も含めた学校などの公共施設再編・転用が進むか」「健康増進と社会保障費抑制が両立するか」など。政府の意図は理解できますし、日本の未来にとって、コンパクト都市化が不可欠であることも確かです。
ただし、中心市街地に街の機能を集約し、高齢者らにも暮らしやすいまちづくりを進めるといっても、一律にはいきません。中山間部の集落を完全につぶすわけにもいかず、集約化と同時にネットワーク化も重要です。成功のカギは、その土地で暮らす人たちが、理念と、新たな街のイメージを共有できるか。これは時間のかかる作業です。
[2016.4.25]
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