国内企業物価指数:99.8で低水準。原油安と円高によるデフレ圧力
日銀公表/国内企業物価指数
企業間で取引される価格水準を数値化した指標で、
日銀が調査・公表する重要な経済指標の1つです。国内市場向けの国内生産品の企業間取引価格を見ることで、需要動向や景気動向、さらには金融政策を判断する材料にします。ただし、この数か月は低調です。
景気回復、インフレ見通しは立たない
日銀が発表した今年2月の国内企業物価指数(速報値、2010年平均=100)は、99.8でした。10年11月の99.7以来、5年ぶりの低水準です。今年1月も、前年同月比3.1%下落と、3年ぶりの大幅下げ。経常収支や貿易収支の数字は悪くないのに、企業側から「足元」を見てみれば、景気が回復し、物価が継続してあがっていく見通しは立たないということです。
物価を下げているのは原油安と円高
物価を押し下げているのは、言わずと知れた「原油安」と「円高」。14年夏から続く原油安は、1年でレートを20%も下げました。燃料安は電気料金の押し下げにつながり、つられて、都市ガス・水道の料金も下落します。エネルギー価格の下落は、企業のコスト削減につながるプラスの面もあるのですが、現状では、デフレ圧力を深刻に後押ししているように見えます。
CPI(消費者物価指数)上昇率2%遠のく
円高の進展についても、日銀は「国内企業物価指数への波及が強まる」と、やや悲観的です。企業物価の上昇が鈍れば、連動する消費者物価の上昇も鈍るわけで、日銀が掲げる「CPI」(消費者物価指数)上昇率2%の目標達成も遠のきます。
円高の進展についても、日銀は「国内企業物価指数への波及が強まる」と、やや悲観的です。企業物価の上昇が鈍れば、連動する消費者物価の上昇も鈍るわけで、日銀が掲げる「CPI」(消費者物価指数)上昇率2%の目標達成も遠のきます。
[2016.4.5]
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