スタートアップ大国インド:新興国の不十分がインフラ整備をビジネスチャンスに
ヒントの詰まったインド起業旋風
いまや大国となったインドで、若き経営者群が、世界レベルの起業旋風を巻き起こしています。新規事業領域の開拓企業を「スタートアップ」と呼びますが、インドは、今まさに「スタートアップ大国」。2015年の創業企業は4800社を超えて過去最高で、未開拓分野で勇躍しています。
彼らに最大の共通点は「スピード」です。インド工科大出身、米テキサス大で輸送工学を学んだ30代前半の経営者は、日用品や食料品の宅配分野で「注文から配達まで最短で20分」を実現させました。専用バイク部隊が、独自開発したスマートフォン向けアプリを駆使して、5キロ圏内の個人商店と場所、配達先を結ぶ最短ルートを割り出し、買い物を速やかに代行します。アプリ機能と機動力は、米国のアマゾン・ドット・コムをしのぐレベルです。
多くの課題はビジネスチャンス
物流倉庫向けのロボット分野でも、20歳代の経営者が、世界最先端のシステムを開発し、大成功を修めました。仕分けロボ「ソーター」と搬送ロボ「バトラー」が現場にあわせて組み合わされ、仕分けから棚入れ、ピックアップまでを全自動で行います。ロボット25台と作業ステーション5台が標準使用ですが、150万ドル(約1億7千万円)から導入でき、レイアウトも容易さも評価されて、創業5年で、倉庫内の仕分け機器で国内シェア90%を占めました。
人口13億人弱のインドは、インフラ整備が不十分で、大型の商業施設も少ない。貧富の差、教育の差も大きく、現場作業員の仕事の「無駄の多さ」「効率の悪さ」など、新興国ゆえの多くの課題があります。台頭する若い世代は、それらを「ビジネスチャンス」ととらえているのです。
[2016.3.18]
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