厚労省:大学病院の治療実績公表を義務化/年代別入院患者数/5大がん患者数/手術別入院日数/症例数/脳梗塞タイプ別患者数/肺炎重症度別患者数/その他。
応じない場合は診療報酬を減らす強硬策
厚生労働省が、2017年度から全国の大病院に「治療実績」の公表を求めます。指定した7項目をホームページで公開させ、応じない病院は「(医療の"売り上げ"である)診療報酬を減らす」という強い姿勢です。大病院でも、それぞれに得意、不得意な分野があり、実力も違う。それを丸裸にしていく画期的な試みであり、患者にも大きなプラスになるでしょう。
大事なポイントなので、公表を求めるとみられる7項目を挙げてみます。「年代別の入院患者数」「5大がんのステージ別の患者数」「診療科別・手術別の入院日数」「診療科別の症例数」「脳梗塞のタイプ別患者数」「肺炎の重症度別患者数」「その他(血管性臓器障害など)」。ひと昔前、こうした情報は"機密"扱いで、ほとんど外部に出ませんでした。患者がよい病院を選ぼうとしても、口コミに頼るか、何らかの紹介を受けるしかなかったのです。
数字の多少だけが基準ではないが...
情報公開を嫌う医療界の体質は、悪く作用すると、医療事故の隠ぺいを生み、病院間の適正な競争や、それによる質の向上を阻んできました。日本医師会の発言力も弱まり、ようやく欧米的な透明性のある医療が実現します。一部の病院はすでにこうしたデータを公開していますし、公開に積極的な病院も少なくないのですが、厚労省が全国一律に網をかけることが重要なのです。
ただ、数字の多い少ないだけが、よい医療の基準でないことも忘れてはなりません。重症患者を積極的に受け入れる病院では、入院日数も長くなります。手術の実績を増やそうと、適応基準をゆるめる病院もあります。病院選びの情報の1要素として、活用していきましょう。
[2016.3.5]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 厚労省:大学病院の治療実績公表を義務化/年代別入院患者数/5大がん患者数/手術別入院日数/症例数/脳梗塞タイプ別患者数/肺炎重症度別患者数/その他。
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/2454
コメントする