遺伝子治療薬:「田辺三菱製薬」と「アンジェスMG」/「アステラス」に「ベリカム」/「キョーリン製薬」には「桃太郎源」、など続々開発中!
改正薬事法施行で新薬開発が安易に
がん治療や難病治療などの"切り札"とされる「遺伝子治療薬」を、近く日本の製薬企業が発売します。欧米諸国を追いかける格好で、2014年に改正薬事法が施行され、治験の条件緩和や承認期間の短縮化が図られました。新薬開発が容易になり、製薬企業も乗り気になりました。
遺伝子治療薬は、患者の体に特別な機能を持つ遺伝子を入れる薬。製薬業界では、自然界にある物質を使った薬、一般的な化学合成型による薬がほぼ出尽くしたとされ、20年に400億ドル(4兆7千億円)の市場が見込まれる遺伝子治療薬は、世界的に開拓が期待される新分野です。医療イノベーションを推進する政府は、再生医療と並ぶ柱の1つとしています。
第1弾は重症虚血肢の治療薬
製品化の第1弾は、「田辺三菱製薬」になりそう。大阪大学発のベンチャー「アンジェスMG」と組み、1年後をめどに、糖尿病などで足の血流が悪化し、血管が壊死する重症虚血肢の治療薬を発売します。患者の足に注射する治療薬で、健康な人から取り出した遺伝子の作用で、古い血管にかわる新しい血管をつくるというもの。まもなく治験のめどがつきそうです。
「アステラス」は、米国の創薬ベンチャー「ベリカム」と提携し、従来の抗がん剤では治療できなかった進行がんの治療薬を開発中です。がん細胞のみを攻撃する性質を持つ遺伝子を用いて、培養した細胞を患者に注射する薬です。「キョーリン製薬」も、岡山大学発ベンチャーの「桃太郎源」と、アスベストなどが原因の中皮腫の治療薬開発に向けた治験を始めています。
[2016.2.23]
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