タカタ製エアバック問題。約半数の車に搭載していたホンダの最高益更新達成を阻む。
約半数にタカタ製エアバック搭載
本業が回復基調なだけに、足を引っ張る存在が腹立たしいのでしょう。今年1月末に開かれた「ホンダ」の決算記者会見。2015年4~12月期の営業利益が減益に転じた理由を問われ、応えた竹内弘平取締役の言葉が印象的でした。「本質的なファンダメンタルズは改善されている。だがタカタ関連の引き当てが、ファンダメンタルズの良いところを全て消してしまった」
不運なことに、ホンダは、約半数の車にタカタ製エアバッグを搭載していました。その結果、世界の自動車メーカーの中でリコール対象車が最も多い存在となり、リコール費用もダントツで膨らんでいます。リコール費用を含む品質関連費用は今期、過去最大の3200億円程度になる見通しで、その半分以上、一説では2000億円以上をタカタが占めると言われます。タカタ関連のリコール台数は今後も増え続けるとみられ、まるで底なし沼だというのに。
リコール費用がなければ最高益更新達成
ホンダの4~12月期の連タカタ結営業利益は、前年同期比3%減の5672億円でした。4~9月期は8%増を確保しましたが、10~12月期、タカタ製エアバッグのリコール費用を大幅に積み増したため、一気に減益に転じたのです。前期、今期の2年間で、国内自動車7社のうち唯一、過去最高益(純利益ベース)を更新できていないホンダ。タカタのリコール費用がなければ、ようやく「最高益更新達成」が実現しそうだったゆえに、恨み節も出るのでしょう。
今後、タカタに対してリコール費用の一部請求交渉が始まりそう。しかし、費用の負担が大きくなれば、タカタの存続が難しくなり、状況は複雑。「リスクヘッジができていなかったと」嘆いても、後の祭りです。
[2016.2.22[]
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