シングルマザーを巡る状況が厳しいなか、厚労省がマザーズハローワークに専門の就職支援相談員を配置。
就労収入は年間平均181万円
厚生労働省は2016年度、シングルマザー就職支援策の1つとして、母親向けの職業安定所(マザーズハローワーク)に専門の「就職支援相談員」を配置します。資格取得のための職業訓練をあっせんする窓口も設けます。シングルマザーを巡る状況は厳しく、手厚いサポートが望まれます。
仕事と子育ての両立は、一筋縄ではいきません。厚生労働省の「平成23年度全国母子世帯等調査結果の概要」によると、母親自身の就労収入は平均で年間181万円。児童扶養手当や元夫からの養育費、親からの仕送りなどを含めても、平均収入は223万円でした。100万未満の世帯が約3割もありました。シングルマザーの約8割が働いていますが、正社員は約4割。一方、14年度にハローワークを利用したシングルマザーは約23.4万人で、就職できたのは9.4万人に過ぎません。子育てや生活状況に対するきめ細かな対応があったとは言いがたい。
パソコン技術や資格取得講座を原則無料に
同省の支援策は、全国21か所の「マザーズハローワーク」に、「ひとり親家庭専門」の就職支援相談員を1人ずつ配置します。働ける時間や曜日、暮らしのさまざまな制約や希望を聞き取り、支援するNPOや保育園、自治体などとも連携して、子育てと就職の両立を目指します。職業訓練のあっせんでも、21か所全てに窓口を開設し、専任の担当職員を置きます。具体的には、表計算ソフトの「エクセル」や、文書作成の「ワード」などパソコンの技術、医療事務の資格を取得できる講座などを、原則無料で受講できるようにします。
1億総活躍、女性労働力の活用と声高に言いながら、現場の弱者への救済策はなかなか見えてきませんでした。こうした小さな改善を積み重ねてほしいものです。
[2016.1.26]
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