化学及血清療法研究所:不正40年間、常軌を逸した組織的隠ぺい体質、隠ぺい工作発覚!業務停止処分
常軌を逸した隠ぺい体質
国内のインフルエンザワクチンの3割を製造する一般財団法人「化学及血清療法研究所(化血研)」(熊本市)が、血液製剤やワクチンを、国が承認していない方法で製造していたことが分かりました。不正は40年間も続いており、発覚を免れるため、虚偽の製造記録まで作成されました。調査した第三者委員会の報告書は「常軌を逸した隠ぺい体質」と指摘しました。
化血研は、1974年以降、血液製剤の製造過程で添加物を加えるなど、未承認の手法を導入しました。生産がスムーズに進むよう、効率化と製造時間短縮を狙ったのです。今年5月、内部告発によって事実が発覚するまで、この不正行為が、血液製剤だけで少なくとも31回、黙認されました。インフルエンザワクチンの製造でも、同様の不正が明らかになりました。これらの不正を隠すため、虚偽の製造記録や添加物の出納記録などをつくり、その記録が過去のものに見えるよう、紫外線を浴びせて変色させるという驚くべき悪質さです。
理事長が「是正が難しかった」と語る驚き
化血研は96年、「薬害エイズ訴訟」で被害者側と和解する際、「悲惨な被害を発生させないよう最大の努力を重ねる」と誓約しています。しかし、この誓約が行われたまさにその時期、公然と組織ぐるみの不正と隠ぺいが行われていました。患者(消費者)軽視、利益優先も、ここまでくると唖然とします。記者会見で、理事長は「長年続いてきた『負の遺産』。影響が大きく、是正は難しかった」と語りましたが、この言葉にも驚きを隠せません。
「安全」と「安心」があって、そのうえで「効率」が求められます。社会の基本を、学び直してもらいたいものです。
[2015.12.31]
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