政府が1億総活躍社会への主要目標を表明。成長と配分の好循環を生む新たなシステム構築を目指す。
成長と分配の好循環を生み出すために
政府が掲げる「1億総活躍社会」への主要目標が表明されました。「出生率1・8」と「介護離職ゼロ」の実現です。人口も、労働人口も減る社会がやってきます。女性や若者、高齢者の働き手を増やさなければなりません。そのために、子育てや介護支援を強化するという内容です。
1億総活躍。好きな言葉ではありませんが、方向性は妥当でしょう。21世紀を生きるうえで、進歩、成長、発展という20世紀の価値観を見直してみることも大切ですが、まずは、安倍首相が言うように「成長と分配の好循環を生み出していく新たな経済社会システム」を築かなければ、国が成り立ちません。国が貧すれば、弱者がよりつらい状況に追い込まれます。許されないことです。
2017年度末までに50万人分増へ
具体的な対策として、政府は、2017年度末までに40万人分増やすとしてきた従来の計画を、「50万人分」に引き上げました。幼児教育の無償化の拡大や、奨学金制度も充実させます。介護離職対策としては、特別養護老人ホームなどの施設用地として都市部の国有地を安く貸したり、介護休業の分割取得や休業中の給付金の増額を検討したりします。在宅医療の推進を掲げてきた従来の方針と、今回の施設の増設方針とを、どう両立させるかは見ものです。
はじめからあれもこれも、は無理です。要は、優先順位をどうつけるか。財源をどう手当てし、今年度補正予算案に、何から盛り込んでいくか。政府は来春に中長期プランをまとめ、より具体的な目標や工程表を示します。「1億総活躍」がスローガン倒れにならないよう期待します。企業側も、長時間労働を前提とした働き方の見直しを忘れてはなりません。
[2015.12.12]
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