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信用保証協会、中小への融資保証を低減!金融機関の貸し渋りが懸念

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保証率80%から引下げへ
経済産業省は平成27年11月16日,中小企業の融資が債務に陥った場合に国が肩代わりする信用保証制度を見直すことを正式発表。現在は、原則として中小企業への融資額80%を国が保証していますが、創業から時間が経ち経営が安定した企業は国の保証率を引き下げる案を検討するとしています。
一方,ベンチャーなど成長企業保証率は比較的に手厚くし資金を借りやすくする方針も示しました。企業の成長段階に合わせて保証率を50〜70%に引下げ,金融機関への負担も増やすとしています。

債務の80%は保証協会,20%は金融機関の負担
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信用保証協会は,中小企業・小規模事業者が事業に必要な資金を金融機関から借り入れる際,保証率に応じて国が保証人となり借りやすくするシステム。融資が焦げ付いた場合、信用保証協会が8割を肩代わりし残りは金融機関に負担を求めています。
保証率が見直されれば全額100%保証から80%に引き下げた平成19年以来の抜本改定となります。信用保証協会連合会によると、平成20年のリーマンショックをピークに、保証承諾件数は急減しています。信用保証協会の全額保証から80%に引き下げられたことにより、金融機関などにも残りの責任が課せられ、融資に消極的な姿勢となっている状況です。

保証100%は危機時に対応
平成27年11月19日に開かれた中小企業政策審議会の専門委員会では,経済産業省が全額100%保証は「危機時の最後のとりでとして機能する」として残す方針を示しました。ここ数年の異常気象などによる災害を受けた企業などへ、適用条件などは見直す姿勢ですが全額100%保証されます。
経済産業省では,同委員会で一律80%を保証するしくみを改め,事業者のライフステージなどに応じて金融機関が適切な責任を負担する仕組みに改める方針を示しました。

保証付きの融資残高は27兆円
信用保証協会によると、平成26年度末時点での信用保証付きの融資残高は約27兆7,000億円、約140万社が利用しています。信用保証協会が肩代わりした金額は徴収した保証料を上回る状態は続き,国が財政支援を実施しているのが実態です。
中小企業向けの信用保証の見直しにより、財務省でも「信用保証への過度依存は慎むべきとして保証率の引下げや全額100%保証の適用条件の見直しが提言されました。信用保証率を縮小すれば、金融機関の負担も増え,企業へ資金を調達できなくなる懸念も残ります。

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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