英国が先進国で初めて中国製の原発を採用! 一気に新興国へのインフラ輸出に出るか?
先進国初の中国製採用
英国が、国内で計画中の原子力発電所に、中国が自主開発した新型原子炉を採用しました。訪英中の中国の習近平国家主席とキャメロン英首相が、トップ会談の後、明らかにしました。中国製の採用は、先進国では初めてです。原発開発でも、中国は日本の強力なライバルになりました。
採用するのは、英国の南東部・エセックス州にある「ブラッドウェル原発」。中国が「華龍1号」と呼ぶ新型原発を使います。フランスから技術供与を受けた中国国有大手の「中国広核集団」(CGN)など開発した原発ですが、現在では、主要部品の国産化率が85%を超えるといいます。建設には「フランス電力公社」(EDF)が加わるものの、事業全体は中国が主導。近年、"蜜月時代"にある中国と英国の関係をまさに象徴するような契約です。
日本はかつてのお株を盗られている?
中英両国は、英国中部につくる高速鉄道2号線などで企業間連携を拡大することでも合意しました。ビジネス案件は広範囲で、ロイター通信は「総額400億ポンド(約7兆4千億円)に及ぶ」と報じています。資源開発でのアフリカ、新幹線でのインドネシア、そして今回の英国と、日本は、出し抜かれている観があります。中国は、今回の実績を全面に出し、かつては日本のお株だった、新興国へのインフラ輸出でも一気に攻勢をかけてくるでしょう。
外交力、価格競争では分が悪い。敵失を期待するわけにもいかない。そんななかで、日本企業は、技術と安全性を磨き上げ、独自の闘う土俵をつくらなければなりません。福島第一原発事故を"負の遺産"とせず、次世代に生かす政治的なアピールも打ち出していきたいものです。
[2015.11.5]
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