ジャパネットたかた:世代交代!/任せる側の覚悟、任された側の覚悟
「一身二生の生き方を目指す」
あの甲高い声、畳みかけるようなセールストークに、消費者は引き込まれました。テレビの通信販売大手「ジャパネットたかた」(長崎県佐世保市)の高田明社長が退任し、長男の旭人(あきと)副社長がトップを引き継ぎます。66歳での若い引退。新社長は若干35歳です。鮮やかな決断をした高田氏は、すべての役職を離れ「一身二生の生き方を目指す」と語りました。
高田氏は1948年、長崎県平戸市生まれ。大阪の大学を卒業後、家業のカメラ店を発展させ、86年に同社を設立しました。94年にテレビ通販へ参入します。佐世保市内に、自社専用の本格テレビスタジオを完備し、番組もすべて自社スタッフで制作、自ら番組に出演しました。カタログ通販、インターネット通販などメディアを駆使したネットワークを築き、売上高は1423億円(2013年12月期)に上っています。従業員は300人以上います。
不安はゼロではないが、期待のほうがはるかに大きい
引退会見をした高田氏の言葉が、印象的です。
「(社長を務めた)29年間はあっという間だった感じもする。お客さまの目線に立つことの大事さを日々感じてきた」「任せる側が覚悟を決めなければ、任されたほうも覚悟できない。だから、まず私が覚悟を決め、新体制を信じて100%任せた。不安はゼロでないが、期待のほうがはるかに大きい」「若いメンバーが自分たちで考え、議論する姿を見て、もう私がいなくてもいいと決断した」「これからは少し離れたところから行く末を見守ろうと思う」
同族経営の企業におけるトップ交代は難しく、御家騒動に発展するケースも珍しくはありません。愚直に顧客の満足度を追求し、社員への伝え方の極意の伝授も惜しまず、長男を「世襲」と批判を受けない人材に育てた自覚があるからこそ、この決断ができたのでしょう。若い力が、顧客の最新のニーズに応える商品やサービスを提供してくれることを期待します。
[2015.10.23]
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