障碍者アートを商機につなげたい。ユニバーサル社会を広げる活動拠点が来年奈良に完成!
自由で個性的な表現はまさにアート
「アール・ブリュット」もしくは「アウトサイダー・アート」という言葉を、ご存知でしょうか? 日本語にすると「障碍者アート」です。見ていただければ分かるのですが、既成概念にとらわれない、自由で個性的な表現はまさに「アート」で、欧米では1940年代から高く評価されています。そのアール・ブリュットを図案化し、商品のデザインに取り入れる動きが、全国で静かに広がっています。「商機につなげたい」と、呼応する企業も相次いでいます。
日本では、障碍者の創作活動が、施設や作業所の中のレクリエーションと見られてきました。あくまで福祉の一環だったのです。90年代からその芸術性に注目する気運が生まれ、作品を商業ベースに乗せられる人が、わずかですが出てきました。近年、一般にもその魅力が理解され、「作品を購入したい」「デザインの素材に使いたい」などの声が聞かれるようになりました。
商機を見据え、来年には制作・流通拠点がオープン
最新の動きとして注目されるのが、芸術活動を通じた障碍者支援を進めている「たんぽぽの家」が、来春、奈良県香芝市でオープンさせる作品の制作・流通拠点「Good Job!センター」です。前身は、2007年、東京や福岡のNPOと一緒に設立した「エイブルアート・カンパニー」。このカンパニーが、アール・ブリュットの2次使用を促してきました。現在、94人の9051作品が登録され、文具や服飾雑貨に使われています。何とも斬新な色彩の靴下、ソファ、ワンピースなど、ため息が出るほどの出来栄えです。著作権使用料は、商品の本体価格に生産数をかけ合わせた金額の5%といいます。作者にも大きな励みです。
世界が「ユニバーサル社会」を目指しています。障碍者や高齢者にとって生きやすい社会や環境は、健常者にとってもよいものだ、という理念の社会をいいます。障碍者から教わることは、とても多い。そのデザイン性、アート性だけでなく、彼らの人間性にも着目したビジネスが、もっともっと広がればいいですね。
[2015.10.22]
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