寝台特急カシオペア:北海道新幹線の開業に伴い運行廃止/高度経済成長を牽引してきた夢の寝台列車が役割を終えゆく。
夢の列車よ、アリガトウ
少しさびしい、サヨナラのニュースです。日本の成長や人々の暮らしを牽引してきた「寝台列車」が、その役割を終えようとしています。札幌と上野を乗り換えなしで結び、北海道を発着する寝台特急として唯一、残っていた「カシオベア」が、来年3月の北海道新幹線開業に伴い、運行を終えることになりました。今年4月に"引退"し、臨時列車になっていた、最後のブルートレイン「北斗星」も、8月に姿を消しています。ゴクロウサマ、そして、アリガトウ。
北斗星が登場したのは、青函トンネルが開通した1988年です。フランス料理まで味わえる豪華な食堂や個室、シャワールームまであり、当時としては、夢の列車でした。ブルートレインの名は、みなさん覚えておられるでしょう。「20系」と呼ばれる、ブルーの車体の寝台列車に乗られた方もいるはず。北斗星は、58年に運行が始まったブルートレインの最後の列車でした。1日上下各3本が札幌と上野をつなぎ、乗車率が8割を越えた時期もありました。
寝台列車は「人生」も乗せて走っていた
さびしいなと思っていたら、今度は、カシオペアの廃止です。北海道新幹線の開業に伴い、青函トンネル内の架線の電圧が、在来線用の2万ボルトから新幹線用の2万5000ボルトに変更されます。カシオペアを牽引している現在の機関車は、走行できません。客車を残し、本州内で走らせることが検討されているようですが、99年の運行開始以来、16年に及んだ役割が終わります。
寝台列車は、それぞれの人の「人生」を乗せて走りました。北斗星もカシオペアも、どんな人間ドラマをその懐に抱きながら、札幌と上野をつないだことか。時代は進み、新しく、より速い列車が生まれ、古い列車はそれにとってかわられるわけですが、私は、影になって人や社会を支えてくれた、こうした"働き者"たちに、心からお礼を言いたいと思うのです。
[2015.9.30]
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