福島県沿岸部「相双地域」の事業者を支援する官民合同チームが始動。産業振興支援は、被災者が自身の未来を描けるようになれるものかどうかが肝である。
2017年の避難指示区域指定解除に向けて
東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故から、4年半が過ぎました。福島県沿岸部「相双地域」は、地震、津波、被ばく、風評被害など、言葉で表現できないほどの苦労を背負いました。2017年3月、「帰還困難区域」以外の全ての「避難指示区域」で指定が解除されます。それに向けて、事業者の営業再開や経営強化を支援する官民合同チームが、現地で活動を始めました。
チームは、国や県の職員、東電社員ら計100人で、2人1組の50組を構成します。避難指示区域などで約8000の事業者を訪問し、補助金を紹介したり、事業承継の相談に乗ったりして、帰還しやすい環境づくりを手助けします。事業再建計画の作成や販路開拓など専門家によるアドバイスグループは、これから人選をするそうです。他に、ダムやトンネルの点検に使うロボットの実証施設をつくりって雇用の場を増やし、農水省も、営農再開に協力します。チーム長には福井邦顕・日本全薬工業会長、副チーム長には立岡恒良・前経済産業次官が就きました。
地元の人が未来の暮らしを描けるか
福島第一原発の周辺からは、昨年秋時点で8万人近くが避難しています。すでに、田村市や川内村では避難指示が解除されましたが、両自治体とも、帰還率は6~7割程度にとどまっています。戻った方々の中心は、土地に慣れ親しんだ高齢者たちで、若い世代の帰還が進みません。雇用面の不安もある、子育ての不安もある、避難先の都市部で新しい暮らしが始まってしまった......など、それぞれの理由があるのでしょう。コミュニティは壊されてしまった。そんななかでの「産業振興」、地元の人が未来の暮らしを描ける内容にしてもらいたい。形だけの制度の説明や、元に戻す「再開」支援だけで終わってはならないと思います。
斬新なアイデアや多くの人材が、有形、無形に手伝っていかないと、難しいのだと思います。働くとは、生きること。生きるためには、何らかの希望や情熱が必要です。私たちもできることを考えましょう。
[2015.9.19]
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