九州電力川内原発1号機が再稼働! 「新規制基準」に初めて合格し、原発稼働ゼロの状況に終止符が打たれた意義は大きい。
「新規制基準」をクリアし、原発再稼働
九州電力川内原発1号機(鹿児島県)が8月11日、再稼働しました。14日、発電も始まりました。東京電力福島第一原発事故後に定められた「新規制基準」をクリアした初のケースです。再稼働まで2年余りを要しました。電力の安定供給は、国民生活や経済の発展に欠かせません。「原発稼働ゼロ」にようやく終止符が打たれた、その意義は大きいと思っています。
残念ながら、日本は"エネルギー資源貧国"です。東日本大震災後、電力供給の3割を占めていた原発が止まったことで、火力発電が全体の9割を担うようになりました。その燃料に使う天然ガスや石炭、石油の輸入が膨らみ、電力10社の燃料費は2010年度の約3.6兆円から、14年度は約7.2兆円に増えました。これに伴い、電気料金も震災前より家庭向けで25%、企業向けで38%値上がりし、厳しい経営を続ける中小企業に廃業を迫るほどの事態です。古い火力発電所までフル稼働させている現状は、まさに綱渡りの供給状況と言えるでしょう。
すべてのエネルギー資源をバランスよく使うことが最善
火力発電には、地球の温暖化を招く二酸化炭素(CO2)の排出量が増えるという問題もあります。太陽光や風力などの再生可能エネルギーでは、天候次第で発電量が安定せず、主力電源になりません。地熱発電も開発が始まったばかり。原子力も含めた各資源をバランスよく使っていくことが最善だと思います。イギリスでは今も、鉄道の20%を蒸気機関車とし、電気系統が動かなくなった際に備えています。国を支える電力にも、リスクヘッジが必要なのです。
今回、原子力規制委員会が定めた新基準は、大規模な自然災害を想定した厳しいものでした。それをクリアしたという「結果」を、受け入れたいと考えます。ただ、同時に、事故リスクがゼロにならないという事実も、正しく認識しなければなりません。福島第一原発の事故の痛ましさを二度と繰り返さないため、継続的な安全対策と積極的な情報公開が求められます。
[2015.5.24]
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