民主党、安保関連法案に関するパンフレットを1日で撤回の大失態。集団的自衛権容認批判の目論見がはずれ、党内までもが迷走するお粗末。
集団的自衛権容認を批判するつもりがとんだ失策に
民主党が50万部刷った、安全保障関連法案に関するパンフレット「ママたちへ 子どもたちの未来のために...」が、わずか1日で撤回されました。「いつかは徴兵制? 募る不安」と題したページが、「内容もイラストともいき過ぎ」と、党内外の批判を受けたためです。子育て中の女性らを対象に、集団的自衛権の行使容認などを批判する狙いが、完全に空回りしました。お粗末です。
「いつかは徴兵制?」のページには、軍服姿で敬礼する少年と、「○△君入営」と書かれた旗を持つ母親が、絵本のようなタッチで描かれています。文章は、集団的自衛権の行使容認を巡る憲法解釈について、「(それを許すなら)徴兵制も同じです。憲法は『苦役』を禁止しているだけで、『徴兵制を禁止する』とは書いていません。(中略)時々の政権によって解釈が変更される可能性も、論理的には否定できないのです」とします。さすがにいき過ぎでしょう。安倍首相は、「徴兵制の本質は(本人の)意思に反して強制的に兵士の義務を負うことで、明確に憲法違反だ。憲法解釈で変える余地はまったくない」と断言しています。
民主党は野党の役割を再認識せよ
お粗末なのは、極論を示せば一般の人の理解・共感が得られるだろうという、そのセンスばかりではありません。対応を巡り、党内が迷走しました。党内の保守系議員は、ツイッターで「党政調のチェックもないまま各総支部に郵送された」と発言。一方で、岡田克也党代表は、街頭演説で、「選挙に勝ったら何をやってもいい、戦前のナチスみたいな社会でいいのか。徴兵制だって憲法に違反だと一言も書いていない。解釈だけだ」などの発言を続けています。
反対の立場に立つからこそ、丁寧に説明する。過激な表現に走らず、誠実に、分かりやすく伝える。国論が二分されるような大きなテーマになるほど、そうした基本姿勢が問われます。ぶれない。変節しないことも大切です。要は、それが人に何かを訴える際の基本。経営にも通じることですね。
[2015.8.14]
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