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金融庁が驚くべき試算発表! 今後、地域銀行の経常利益は大半が半減以下か赤字に。起死回生の改革は実現なるか。

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8割超が経常利益減!
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 全国の106行の「地域銀行」の2018年度3月期の経常利益について、金融庁が驚くべき試算を発表しました。その8割超で、14年3月期より減るとの見通しです。22行では、半減以下か赤字になります。金融庁は、今後、経営統合などの再編、経費削減、経営モデルの刷新など、抜本的な戦略転換を促していきます。
 
増えるのは17行。17行は半減以下、5行は赤字に
 ここでいう「地域銀行」とは、地方銀行64行、第二地方銀行41行、埼玉りそな銀行を指します。日本が人口減社会に突入し、主要都市を除く各地域での人口減少が明かになる中、金融庁は、こうした銀行の5~10年後の経営への影響と、持続可能性を点検しました。試算は、今後の融資残高や金利が、過去3年間の平均と同じペースでだと仮定して行いました。
 その結果、経常利益が増えるのは、わずか17行。17行は半減以下、5行は赤字に陥ることが分かりました。人口が減少すれば、当然、貸出先も減ります。現在でも、すでに融資は伸び悩んでおり、預金として集めたお金を国債などの運用に回す動きが目立っています。しかし、金利の低下で国債の利回りも下がっており、この先の収益の悪化は避けられないという判断になりました。
 
「強い地域銀行」に生まれ変わることが喫緊の課題
これまで、景気の回復で不良債権を減らせたり、株価の回復で利益を確保できたりした銀行も、今後は、苦戦を強いられそうです。事実、15年3月期の地域銀行の税引き後利益の合計値は、6年ぶりに減少しています。
金融庁では、今後の地銀経営について「規模の利益を働かせて効率化を志向するなどの戦略がある」と指摘しました。再編を、ひとつの選択肢として示したのです。新しい経営モデル構築のため、「外取締役やIT(情報技術)の活用なども重要になる」とも指摘しています。
「銀行は一行たりともつぶさない」とし、行政が全体を統制する「護送船団方式」はすでに過去のこと。地域住民の暮らしを支えるためにも、改革を進め、強い地域銀行へと生まれ変わるべきでしょう。

[2015.7.29]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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