屈指の人気商業地、大阪・ミナミの一等地をめぐる大トラブル。市民不在の顛末は、景気回復とはやはり無縁か。
「再開発のため」は免罪符ではない
日本屈指の超一等地、大阪・ミナミ。その中心地、南海難波駅前にある「旧市立精華小学校跡地」(約4200平方メートル)について、大阪市が民間に土地を売却し、"鳴り物入り"で進めてきたはずだった「再開発計画」が頓挫しています。さらに、隣接地(約72平方メートル)で、「地上げ」が絡んだもめ事まで起きていると、産経新聞が報じました。少し、意見を述べます。
「地上げ」は、正当な経済行為であり、地上げ=悪ではありません。けれど、今回のように、手数料等を巡るトラブルが泥沼化し、本体の再開発計画まで巻き込むようなら、市民の信頼を裏切る結果になります。お金は、市民や国のために使われて初めて生かされます。今回の件では、関連業者も、指導する立場にある橋下徹大阪市長も、責任を厳しく問われるべきです。
大阪市も「活性化の起爆剤になり得る」と決定
旧大阪市立精華小学校は、児童減少のため、1995年3月に閉校しました。地上4階・地下1階建ての校舎は、昭和初期の鉄筋コンクリート造り。学校教育史や建築史の観点からも注目されました。戦時中の空襲でも焼け残りました。95年の閉校後も、市民に活用され、愛されてきました。
市は、2012年12月、「本物件の再開発が、なんばエリア全体の活性化の起爆剤になり得る。市としても大きな期待を寄せている」と、敷地の売却方針を決め、13年に民間の不動産会社A社に売却しました。ホテル、物販業、飲食業などで構成する商業施設として16年度にオープンさせる計画で、売却額は、入札予定価格 約25億円を大きく上廻る約35億9000万円でした。
報道によると、「地上げ」では、跡地の隣接土地を1つにまとめ、売却業者に転売しようと、別の業者2社が暗躍しています。「26億円で買い取り、(別業者に)32億円で転売」予定で、その土地を、さらにA社に転売するつもりでした。しかし、A社の資金繰りも悪化し、地上げ業者の方もこじれ、再開発自体が頓挫中、としています。
[2015.7.20]
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