世界遺産神社も門戸開放! 人生の節目を京都の寺社で迎える「和婚」が外国人カップルにも浸透中。行政もバックアップ。
行政+ブライダル業界の新戦略
京都の伝統的な神社仏閣で行う結婚式が、国際結婚するカップルや、旅行に来て文化や風土に魅せられた外国人カップルの間に広がり始めました。人生の節目を「和婚」で、という動きです。少子高齢化で先細りが懸念されるブライダル業界が、行政も巻き込んで、戦略的に外国人客の取り込みを狙った成果でしょう。
婚礼の場所として人気なのは、世界遺産の上賀茂神社のほか、八坂神社、北野天満宮などの神社や、延暦寺、高台寺、西本願寺などの寺院。神前式スタイルなら、神主や巫女などが勢揃いし、白無垢から色打ち掛けへのお直しまでを披露する本格的な挙式がプロデュースされます。「歴史と伝統に基づいたとても神聖な式だった」「桜を背景に素敵な記念写真が撮れた」など、満足度は高いようです。
京都市長の署名入り、3カ国語の結婚証明書発行
寺社が門戸を開いたばかりか、行政もバックアップ態勢を整えました。門川大作・京都市長は、「京都や日本の魅力の海外発信と世界における京都ブランド確立を目指したい」と述べ、今年4月から、京都で挙式した外国人カップルに、市長の署名入り結婚証明書の発行を始めました。日本語、中国語、英語の3カ国語で対応します。京都府は昨年、京都府神社庁や京都仏教会もメンバーに加えた「和婚受入協議会」を設立し、有名寺社内でのフォトウェディングの需要に応えています。やはり3カ国語でホームページをつくりました。いずれもウェディング事業で京都の発信力を高め、インバウンド(訪日外国人旅行)観光戦略を盛り上げようという狙いです。
成功のカギは「おもてなし」
アメリカの旅行雑誌の権威『トラベル+レジャー』の読者投票による、世界の人気観光都市ランキングで2014年、15年と2年連続で第1位に選ばれた京都。外国人観光客が前年より400万人増えて5564万人に上る中、和婚やフォトウェディングに関心を持つ外国人は年々増加しており、今後、大きく伸びていく可能性があります。「2020年までにインバウンド数を2500万人に」とする日本政府の目標に向け、京都が起爆剤となることが期待されますが、成功のカギは何といっても、世界に知られた日本の無形の文化「おもてなし」の演出でしょう。
▼和婚受入協議会:ウェブサイト
[2015.7.14]
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